姫路市埋蔵文化財センターは、アクリエ姫路の北西(姫路市神屋町六丁目)にて銀の馬車道の遺構を発見したことを発表しました。
調査は、旧生野鉱山寮馬車道試掘調査として、姫路市神屋町六丁目で2023年2月16日から3月中旬まで行われたもの。調査成果については、令和5年3月12日(日曜日)に現地説明会が開催される予定です。
調査では、調査地点付近で想定されている馬車道の実態を明らかにするため、東西2本のトレンチ(試掘溝)を含む34平方メートルの調査が行われました。
その結果、西側の1区で馬車道の路面及び路盤、南側側溝を確認し、本来幅約6メートルの馬車道であったものが、幅約80センチメートル、長さ2メートル分を確認。
また、道路の南側で側溝を発見し、道路の一部においては、路盤部、表層部、目つぶし砂利という「マカダム式舗装」の構造を確認することができました。
これは、日本初の産業用高速道路とも言える馬車道の路面が発掘調査で面的にも確認できた初めての事例となります。
また、東側の2区でも、北端(幅50センチメートル)で1区と同様の道路構造を確認しました。路面は、当時の地面から土を約60センチメートル盛って築造されていました。
銀の馬車道は、現在の姫路港と生野鉱山を約49キロメートルで結ぶ馬車専用道路であり、明治政府がお雇い外国人ジャン=フランソワ・コワニエの指導のもとに建設したものです。この道路は、当時のヨーロッパ最新技術によるマカダム式舗装を導入し、産業用高速道路とも言える日本初の道路でした。
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