2025年5月25日(日)、兵庫県市川町では、地域を災害から守る消防団が、各地区で訓練を行いました。
これまでの「消防操法大会」とは異なり、今年は町内4地区で同時に、より実践に近い形での「水出し操法訓練」が初めて実施されました。
消防操法とは? 火災から命を守る大切な技術
消防操法と聞くと、ちょっと難しく感じるかもしれませんが、これは火事を消すために消防ポンプやホースを素早く、そして正確に操作する、消防団員の消火活動にとっての基本となる技術。
いざという時に、迅速に消火活動ができるよう、毎年5月から6月にかけて「消防操法大会」が開催され、その技術を競い合ってきました。
コロナ禍を経て、大会実施を考える
市川町での操法大会は、コロナ禍で一時中断。2023年には4年ぶりに復活したものの、ブランクがあったり、大会に向けた訓練の負担が大きかったりと、課題も浮上していたそう。
そんな中、「大会ではなく、もっと実際の火災を想定した訓練を各地区で行いたい」という団員さんの声が上がりました。
そこで、2025年は「市川町操法大会」を中止し、消防の基本をしっかり学び直せる「実践形式の訓練」を各地区で行うことが決定。
市川町消防団にとって、初めての試みとなりました。
団長の思い「大切な技術を伝承する」
今回の訓練について、地区の団長からは「消防の基本となる操法の技術を次の世代に伝えることは、とても重要。地域では高齢化も進んでおり、経験とノウハウをしっかりと伝えていくことが大切だと考えています。」という話がありました。
また、「消火活動において、基本的な操作や規律、機械器具の取り扱いを訓練を通じてしっかり身につけることは、団員自身の安全を守るためにも欠かせません」とも。
日頃からの訓練が、いざという時の地域の安全を守ることに繋がります。
鶴居地区の訓練の様子
この日、瀬尾高圧工業株式会社 市川工場(兵庫県神崎郡市川町神崎)では、鶴居地区の消防団が、朝7時から真剣な面持ちで訓練に励みました。
操法訓練は消火活動の基本となる操法技術を高め、安全かつスムーズに水出しを行うこと、器具の取り扱いを習得することを目的に行われいるもので鶴居地区では操法に基づく訓練も実施。
小型動力ポンプを使って、指揮者の「操作はじめ」の合図から「おさめ」までの一連の流れを確認。ポンプやホースの設置から放水まで、実際の消火活動さながらの訓練が展開されました。
多くの団員が実際に器具を触る機会を増やすことで、より技術の習得に繋がるとのこと。
訓練後には反省会も行われ、今回の訓練で得た学びや課題を共有し、今後の活動に活かしていく予定です。
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実際の火災現場で防火衣、ヘルメット等装備しないのは危険だと思う(iPhone)