スマホにネットとデジタルサービスが普及しても、ふと見上げたくなる夜の星空。
今後2022年に注目したい天体ショーとして、11月8日に起こる皆既月食が挙げられますが、6月中旬から下旬にかけて、明け方の空に全ての惑星が勢ぞろいします。
トップ画像:NASA
明け方の空に惑星集合
期間 | 2022年6月中旬から下旬 |
観察できる時間 | 夜明け前 1時間ぐらい (4:00前後) |
方角 | 南東(東の地平線にかけて) |
天球上に直線に並ぶのも珍しい
地球より内側を公転している内惑星(水星・金星)と外側を公転している外惑星(土星、海王星、木星、火星、天王星)を同時に見れる今回の天体ショー。
©国立天文台
国立天文台によると全ての惑星が勢ぞろいするのは6月中旬から下旬の4時ごろから明け方にかけてで、東の地平線に向かって、土星、海王星、木星、火星、天王星、金星、水星を同じ天球で見ることができます(19日以降は月も加わります)。日の出の1時間まえぐらいから日の出にかけてが観察のタイミング。
なお肉眼で見える明るさ(等級)は水星、金星、火星、木星、土星の5つ。天王星の明るさは約6等で、目の良い人が夜空の暗い場所で観察すればなんとか見ることができる明るさ。(水星は地平線からの高度が低いため、見つけるのが少し難しいかも)
海王星は約8等と大変暗いため事前に正確な位置を知って望遠鏡を向けることで観察が可能となります。
実際に見れるのはいつ?
2022年6月に入り、興味関心を持たれる方も増えてきましたので実際にこちら兵庫(神戸)ではいつ観測できるのか追記。
国立天文台の暦計算室では「今日のほしぞら」として場所や時刻を細かく設定することができます。
6/16 4:00
東から南の空にかけて全惑星が登場。(4時までは水星がまだ地平線より下)
©National Astronomical Observatory of Japan
なお日の出は4時45分。
©National Astronomical Observatory of Japan
6/29 4:00
6月29日になると「月」が地平線より下になるため、月明かりの影響は少なくなります。
©National Astronomical Observatory of Japan
天球上に地球を除く、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星の全惑星が集合する今回の天体ショー。
水星が昇ってきてから日の出までの約1時間が全惑星集合を観測するチャンスですが、地域によっては山など周囲の地形の影響で日の出以降も観測はできるかもしれません。
(追記:日の出直前はだいぶ空も明るいため、よほど目がいい方以外は3時ぐらいから水星が昇る時間を目安に空を観察するほうがいいでしょう)
なお計算上は七夕頃までは天体の集合する様を観測できると思われますが「集合」という点では6月18日から6月下旬がおすすめ。
©National Astronomical Observatory of Japan
惑星集合はどれぐらいの間隔で起きる?
空の小さな領域に同時に現れる視覚現象、惑星集合。地球を除く全惑星が同時に観測できた前回は2020年7月のこと。なお2020年7月は準惑星冥王星も含むもので、次回は計算上では2161年。
惑星直列と会合
「惑星を一度に」というと、天文好きな方であれば「惑星直列」を想像される方もいらっしゃるでしょう。
NASA
惑星直列という言葉は本来の天文学用語ではなく、全惑星がほぼ直線状に並ぶ状態というだけで、はっきりとした定義はありません。
惑星直列は文字通り捉えるのであれば「太陽系内の惑星が太陽に向かって一直線に並ぶ現象」を指しますが、「全惑星が完全に同一方向にくることは、過去も将来もあり得ず、直列といってもみかけ上せいぜい数10度の範囲に集まるに過ぎない」と国立天文台は2000年にコメント。
太陽から見て地球と惑星が同じ方向(直列)となることを会合、会合が起こる周期を「会合周期」と呼び、火星との会合周期は約780日(約2年2カ月)、水星との会合周期は115.9日(約3ヶ月)ですが、水星・金星・火星・木星・土星の5惑星が会合する周期は170年に1度。
2040年9月9日には25度以内の範囲に5惑星が集合します。
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