2021年年末から第6波として感染者急増となった、SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)。
全国、関西圏でも2022年2月半ばにかけてピークとなり、3月には終息の兆しとなりましたが、依然として新規陽性者数は横ばい。ゴールデンウィーク明けに新規陽性者数が増加の兆しが取りざたされていますが、こんな疑問を持った方はいないでしょうか。
以前「【コロナ変異株】注目すべき変異株に「オミクロン」オメガで足りる?ギリシャ文字」という記事を公開しましたが、VOC「懸念される変異株(Variant of Concern)」としてアルファ、ベータが指定されたのは2020年12月のこと。
翌月1月にはガンマ、4月にはデルタ、オミクロンは2021年11月に指定されています。その間にVOI(注目すべき変異株)としてラムダ株やミュー株が指定されました。
2022年5月現在、VOCとしてWHOに指定されているのはデルタ株、オミクロン株の二つ。
変異を続けるウイルスですが、VOCの定義に照らし合わせオミクロン以降、WHOラベルを付与する株(脅威となる変異株)が出ていないということなのでしょう。
VUM (監視下にある変異体)
将来的なリスクをもたらす可能性があることを示す変異株。2022年5月時点でWHOラベル(アルファなど)なし
パンゴ系統 | 最も早いサンプル | VUM指定日 |
B.1.640 | 複数の国、2021年9月 | 2021年11月22日 |
XD | フランス、2022年1月 | 2022年3月9日 |
オミクロン株
SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)ですが、その系統により、BA.1系統、BA.2系統、その複合型、といった系統を耳にされた方も多いでしょう。
オミクロン株の種類はどれぐらい?
WHOではVOC「懸念される変異株(Variant of Concern)」内のオミクロンについて以下のような記載を確認することができます。
BA.1、BA.2、BA.3、BA.4、BA.5および子孫系統が含まれます。XEなどのBA.1/BA.2循環組換え型も含まれます。WHOは、これらの子孫系統は公衆衛生当局によって別個の系統として監視されるべきであり、それらのウイルス特性の比較評価が行われるべきであることを強調しています。(日本語訳)
オミクロン株の大くはBA.1、BA.2、BA.3、BA.4、BA.5の5系統ですが変異株の系統を管理している cov-lineages.org で調べてみると「B.1.1.529(オミクロン)」の子孫系統を含めると約100種類。
国や地域よって感染系統は異なるところが興味深いところ。Withコロナ3年目ともなると、コロナ関連の話題も日常的になり、関心も薄れがちですが、新たな流行に備え、日常のウイルス対策はしっかりとしたいものです。
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