サイトの収益化方法のひとつとして「Google AdSense」を採用されているサイトも多いことでしょう。
そんな「Google AdSense」ではさまざまな指標で広告の状況について確認することができますが、広告リクエストに対して広告が配信された割合を指す指標「カバレッジ」もそのひとつ。
広告の最適化の中でひとつの指標となるカバレッジの数値ですが、高さのみを目指した結果、どうなったのか、という話。
なお、このページでいうカバレッジはAdSenseでのリクエストに対しての配信割合を示す指標であってサーチコンソール上でのカバレッジではありません。
今回はカバレッジ数値のみに注目した際に起こった「しくじり体験」を元にAdSense広告の表示について改めて考えてみます。
「カバレッジ」は広告の配信率(表示率)
10個の広告表示リクエストに対して8個が表示された場合は「カバレッジ80%」、10個表示された場合は「カバレッジ100%」と表示されます。
理屈から考えるのであれば、広告表示率が高ければ(カバレッジが高ければ)、その分クリックされる機会も増える、すなわち広告収入が増える、という理屈で「カバレッジは、100%に近い値であることが理想的」。
たしかに理屈ではそうなのですが。
カバレッジと収益額の推移
上記は当サイトのカバレッジと収益額のグラフを示しています。
赤い線がカバレッジ、青い線が収益。カバレッジについてところどころ極端な線を描いていますが、なぜでしょう。
- ①2020年12月までカバレッジ99%程度を維持、2021年1月にカバレッジが80%前後まで落ちる
- ②2021年後半にかけて収益は上昇
- ③2022年4月カバレッジが99%に上昇
- ④2022年6月にかけて収益は減少
①についてはサイトテーマ、デザインを変更したことによるもの。つまりサイトのテーマなどコア部分にかかわる変更は良くも悪くも影響がでる可能性があるため慎重に行う必要があるという教訓になりました。
②カバレッジ値について多少の広告配置、表示数などはテストしていますが、システム的な変更は無し。
③について「カバレッジが99%に上昇」に上昇したのは4月11日より「AMP サイトでアンカー広告の配信」が始まったため。
お客様への影響
• AMP 自動広告をご利用の場合は、2022 年 4 月 11 日より、お客様のサイトにアンカー広告が表示されるようになります。
• AMP 自動広告による収益が増加する可能性があります。
• AdSense アカウントで、AMP 自動広告が有効になっているすべてのサイトが変更の対象となります。(Google AdSense)2022/03
当サイトで諸事情で通常記事ページをAMPにて配信していますがGoogleの自動広告に任せていました。
4月11日からはじまったのは広告表示方法として見られる「アンカー(錨)広告」。
ページの上部、または下部に固定され表示されたままになるため、表示されるためカバレッジ(表示率)は99%台へ急上昇。(その代わりディスプレイ広告は自動的に非表示になるケースも)
カバレッジ値は理想の値になり、2ヶ月ほど様子を見てみましたが、収益については改善される気配がなく、クリック率、クリック数が減少。
戻した結果
カバレッジ値はまた下がりましたが収益額については上昇しているのがわかります。
サイトによっては自動広告でのアンカー広告は運営者、ユーザーへ充分な良い効果がありますが、当サイトとの相性は現時点ではよくなかった様子。
カバレッジを上げるのではない、満足度をあげよう
「Google AdSense」で表示される広告は、記事内の情報や、閲覧者の閲覧履歴を踏まえ自動的に広告内容が変更されます。
ひとつのテーマで作られたサイトであれば広告ジャンルも固まりますが、雑多なジャンルを取り扱うサイトでは表示すべき広告がなく代替広告(文字だけのとりあえず広告)になることも多々。
表示面積は少ない広告であっても閲覧者からすれば関心がない情報については表示されないほうがマシということも充分にあるでしょう。
アンカー広告は表示時間の点においても魅力的ですが、閲覧者の利便性を第一に、採用の可否について当サイトではまだまだ検討が必要かもしれません。
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