「家計調査」について
対象の世帯
総務省統計局によると、「家計調査は、統計法に基づく基幹統計「家計統計」を作成するための統計調査であり,国民生活における家計収支の実態を把握し、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供することを目的としたもの」で全国の世帯を調査対象としていますが、以下世帯については世帯としての収入と支出を正確に計ることが難しいことなどの理由から、調査には含まれません。
対象外の世帯
- (1) 学生の単身世帯
- (2) 病院・療養所の入院者,矯正施設の入所者等の世帯
- (3) 料理飲食店,旅館又は下宿屋(寄宿舎を含む。)を営む併用住宅の世帯
- (4) 賄い付きの同居人がいる世帯
- (5) 住み込みの営業上の使用人が4人以上いる世帯
- (6) 世帯主が長期間(3か月以上)不在の世帯
- (7) 外国人世帯
家計調査は標本調査
全国の世帯を調査対象としていますが「標本調査」のため、人口増減率、産業的特色、世帯主の年齢構成を考慮し74層に分け、人口5万未満の市及び町村は、地方で分けた後、(1)地理的位置(海沿い,山地等)、(2)世帯主の年齢構成を用いて、計42層に分けた。このようにして分けられた全国計168層の各層から1市町村ずつ抽出されるもので
全国168市町村、二人以上の調査世帯数8,076(単身調査世帯数は673)とされていますが、今回の調査報告は二人以上の調査世帯7459世帯についての数値となります。
地域 | 調査市町村数 | 二人以上の調査世帯数 | 単身調査世帯数 |
---|---|---|---|
全国 | 168 | 8,076 | 673 |
都道府県庁所在市及び大都市 | 52 | 5,472 | 456 |
人口5万以上の市(上記の市を除く) | 74 | 2,100 | 175 |
人口5万未満の市及び町村 | 42 | 504 | 42 |
家計調査報告(2021年4月分)
支出
2020年4月と比較すると興味深い数値としては「パン」以外の穀類(米、麺類)が10%以上消費支出が減少。単純に消費が減ったのか、価格が下がって同じ消費量でも消費金額が減ったのかは不明ですが魚介類、肉、乳卵、野菜にについても同様に消費額が減少しています。
軒並み消費額が減少するなかで果物、菓子については上昇しており、飲料でも茶が10%以上増えていることについてはコロナの影響も興味深いところ。
食料品が減少する中で外食が昨年同月比で85.7%上昇。こちらについてはテイクアウトキャンペーン、GOTOなどの影響が大きそうです。
また「被服及び履物」関係が84.8%上昇。2020年4月と言えば緊急事態宣言が発令され、全国的にも徹底した自粛、休業が行われていた月ですが2021年は「おうち時間」ではなく外出用の出費が増えたのでしょうか。
支出
タイトルには「世帯主収入が11か月ぶりに実質増加」と書いていますがどう増えたのか。収入の項目を見ると、勤労世帯については昨年同月比で3.0%アップ。
金額としては少額ですが事業、内職収入が22.9%アップしているのも興味深いところ。在宅ワークで副業?なんてことも頭をよぎりますが詳細は不明。
勤め先収入だと470191円で3.0%アップということなので、2020年4月から14000円程度アップしたことになりますが、実感はいかに?(勤労世帯の場合は49.9歳、世帯人数3.27人)
※記事内グラフ、表「総務省:家計調査報告(2021年4月分)」
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