兵庫県朝来市で、インフラ施設と地元の伝統産業がタッグを組んだユニークなプロジェクトが動き出しました。
日本最大級の発電能力を誇る関西電力「奥多々良木(おくたたらぎ)発電所」の地下施設を活用し、地元の老舗2蔵の日本酒を長期貯蔵・ブランド化する取り組みが始まります。
このプロジェクトは、朝来市の観光振興を担う「あさごツーリズムビューロー」と、地域貢献を目指す関西電力、そして地元の銘酒を守り続ける酒蔵が一体となって実現したものです。
なぜ発電所で日本酒?熟成に理想的な「3つの条件」
揚水発電所の地下トンネルや関連施設は、実は日本酒を美味しく育てるために必要な条件がすべて揃っています。
- 1. 一定の温度
年間を通じて約15度前後に保たれており、急激な劣化を防ぎながら穏やかに熟成が進みます。 - 2. 完全な遮光
日光が一切届かない暗所であるため、紫外線による品質の変化を完全に遮断できます。 - 3. 静寂な空間
重厚な岩盤に囲まれた静かな地下空間は、お酒の分子を安定させ、口当たりをまろやかに進化させます。
まさに「天然の高級セラー」とも言える理想的な環境で、朝来の地酒がゆっくりと眠りにつきます。
伝統を醸す2つの老舗酒蔵が参画
今回のプロジェクトには、朝来市山東町で長年愛されてきた2つの酒蔵が参加します。
田治米(たじめ)合名会社:代表銘柄「竹泉」
熟成によって旨味が開花する「熟成酒」のパイオニアです。ダムの静寂の中で、より円熟味を増した唯一無二の味わいを目指します。
此(この)の友酒造:代表銘柄「但馬」
元禄時代から続く伝統の技が特徴。力強い酒質が冷涼なトンネル環境と出会うことで、キレと深みが際立つプレミアムな一本へと進化します。
秋には「奥多々良木熟成酒」がお披露目予定
プロジェクトは、令和8年4月2日に行われる施設への「入庫式」から本格的にスタートします。
その後、数ヶ月間の熟成を経て、秋ごろには試飲や蔵開きイベントでの限定販売が予定されています。
「奥多々良木熟成酒(仮称)」として販売を目指しています。
朝来市の新たな特産品として、歴史ある酒造りの技と現代の巨大インフラが織りなす「至高の熟成酒」の誕生が今から待ち遠しいですね。










































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