市川町怪和譚 第八夜 | 加茂地谷伝説 金の山ユリ

(画像・情報:市川町観光協会さんより)

ぶらり市川64P 下瀬加のお話。
 

【昔、加茂地谷に千代という美しい娘がおりました。父は村の若者達に「村の奥の寒門山の頂上に咲いている金の山ユリを採ってきたものを娘の婿にしたい」と話しました。しかし、寒門山には大きな白蛇が住んでいると伝えられているため、皆恐れをなしてしまいました。しばらくすると、美しい若者がピカピカ光る金の山ユリを持ってくるようになりました。これを不審に思った乳母が針で若者を突き刺しました。若者はもがき苦しみ、逃げて行きます。それを追いかけると、金の山ユリの花が一面に咲く寒門山の頂上でした。そこには昇天した大きな白蛇が横たわっていました。】
 
このお話、「金の百合」、「白蛇」、と頭でイメージしやすいキーワードが色々とでてくるのでとても綺麗な逸話だなぁと読むといつも思います。蛇が特に悪いことをしていないのでとても可哀想なのですが、話の筋道も起承転結を押さえていて、他のお話に比べて完成度が高いですよね。ぶらり市川の中でも個人的に印象的なお話として初めて読んだ時から気になってました。

 
さて、ここからは完全に余談ですが、ここで気になるのが「針」。
一寸法師が鬼を退治するのに使ったり、鶴女房がお椀に浮かべたりと日本の昔話には「針」というモチーフが結構でてきます。
竜や蛇は鉄を嫌うといわれているため、蛇の逸話にはちょいちょい出てくるキーアイテムみたいなもののようです。というか水に関係する妖怪はどうやら鉄製品が苦手なよう。お隣福崎町の河童さんも多分鉄は苦手かな…河童の護身用には是非市川町のゴルフアイアンをご用意ください。福崎の河童さんは大変気さくなので大丈夫そうですが。(*´ω`*)

そして蛇が嫁取りにくるという話は「蛇婿入り」という割とメジャーな異類婚姻譚なよう。テンプレとしては、女性のもとに訪れた男の正体を探る為に糸のついた針を男の服にさして、その糸を辿っていくと、男の正体が蛇だったことが判明する。みたいなものですが、この針と糸を辿るという一番大本は三輪山伝説が有名です。同じパターンで、男の服に糸つけた針をさして、それを辿ったら行きついた先が神様でした、という結末。で、この三輪山の神様というのが「大物主」。白蛇がその化身とも言われています。おっと、繋がってきましたね。
 
娘と白蛇と針⇒三輪山伝説⇒大物主⇒ ここまできました。
さて、ではこの下瀬加の伝承、ポッとふって沸いた逸話というのでも全然おかしくないですが、もうちょっと突き詰めて調べてみます。手がかりは大物主と加茂地谷という地名。これはおそらく字(あざ)ってやつでしょうか。
  
下瀬加に大物主が祀られてる神社があったら面白いなぁと思って調べてみた所、ありました。岡部神社の主祭神が大物主でした。これは一気に面白くなってきましたぞ。
ちなみに岡部神社は今年のウォーキングではいきましたが写真があまりなく、ぶらり市川にも載ってないので、祭神情報は神社庁の情報からゲット。
 
で、肝心の加茂地谷ってどこなんでしょう…私も正直詳しくないので、とりあえずあれこれ調べてみたのですが、市川町のお宝マップという各区が集まって作った地域財産マップみたいな資料があるんですが、それにのってました。「加茂地谷の地蔵」。ということはこのお地蔵さんの周辺が加茂地谷ということですね。グーグルマップでも航空写真で検索したら、丁度お祭りの時期だったのか加茂地谷と書かれたのぼりがうつってました。おいおいコレいつの写真だと突っ込みいれたくなりますが、今回ばかりは結果オーライ。
 
改めて地図で岡部神社との距離をみるとばっちり、最寄の神社といってもいいのではないのでしょうか。ピースとピースがつながった感じがしてとってもスッキリしました。針からの連想ゲームですが、こういうのが歴史の面白いところですね。発生原因があって結果がある。化学の方程式みたいです。

 

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