2022年7月も終盤にかかり、新型コロナ、オミクロン株による感染拡大中の日本。
連日「新規感染 過去最多」の見出しが各メディアから報じられていますが、withコロナ時代にあって感染者数の多寡は、感染状況を示すひとつの指標に過ぎず、生命にただちに危険が及ぶか、といった程度を示すものではないことは充分に周知されていることでしょう。
新型コロナについて現在「どのくらい注意が必要なのか」という説明は専門家や政府に譲るとして、日々「最多 新規感染者数」などと聞くと、こういった疑問を持つことはないでしょうか。
PCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査いずれかの検査方法にて「新型コロナ陽性」となった場合に新規陽性者として確定、カウントされますが、気になるのは「検査能力数」。
なんて疑問がふとよぎったので兵庫県を中心に新型コロナの検査能力(陽性者上限)について調べてみました。
検査需要と検査能力
7月28日には新規陽性者数として11,027人の新規患者数が発表された兵庫県。
「兵庫県 コロナ検査可能数」などと検索するとPCR検査能力数を示す、兵庫県サイトがヒットしますが2022年2月時点で検査数のマックスは11,600。
「え?もう上限に近いやん」
いやいや、そんなことはないはず。と別の情報を探してみます。
兵庫県が発表されている「国の新たなレベル分類の指標」によるデータでは10,149人の新規陽性発表があった7月27日でPCR陽性率は66.9%。
あれ、PCR上限の11,600より多い・・・。
なんか計算の仕方が違う気がする。
抗原検査キットで陽性確定診断
調べてみると厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症に関する検査について」によれば、コロナの確定診断として2020年5月13日に富士レビオ社の抗原検査キットが、国初の新型コロナウイルス抗原検査キットとして承認され、抗原検査キットで陽性の場合は確定診断となることが判明。
また、陰性の抗原検査キットとPCR検査の結果の一致率が高いことが確認されたことから、6月16日以降については発症2日目から9日目までの患者について、検査結果が陰性でも確定診断が行えるように。
©厚生労働省
兵庫県の実際に検査できる数の上限は
なるほど。PCRの検査能力数の上限以上に陽性確定診断ができるということが判明しました。
しかしながら
では抗原検査を含めた数が上限?
厚生労働省が発表している「新型コロナウイルス感染症 都道府県別 検査需要と検査能力の見込み(5月20日時点)」によれば兵庫県の検査可能数については以下。
行政検査
PCR | 13,284 |
抗原定量 | 2,277 |
抗原定性 | 14,881 |
合計 30,442
無料検査等の需要及び検査能力
PCR | 8,277 |
抗原定量 | 0 |
抗原定性 | 2,885 |
合計 11,162
兵庫県の検査能力の上限
確定診断が可能な兵庫県の検査能力の上限(PCR検査、抗原検査の合計)は2022年5月20日時点で41,584件ということに。(7月時点ではさらに増えている可能性も)
厚生労働省の注釈によれば「同一の検査機関の能力を重複計上している場合がある」、「最大限に稼働した場合の数値」ということですが、今なお厚生労働省をはじめ検査能力として表示されているのはPCR検査可能数。
厚生労働省
出典:兵庫県(pref.hyogo.lg.jp)
最新の検査実施数は13,262。
PCR検査、抗原検査の比率については不明なものの、先述の上限41,584件を考えると数字上の検査能力についてはまだ余裕がありそうですが、実際には「医療機関が1日に診察できる能力は限られている」と言います。
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