プライベートでのメールの存在意義はSNSや通販のサービスの申し込み時のアカウント作成に利用する程度でメッセージのやりとりはLINEで行っているという方が多数になってきているのではないでしょうか。
しかしながらビジネスシーンでは、メールでの添付ファイルやメッセージのやりとりがまだまだ健在。
ビジネスでのメールの利用について話を戻すと、送信時にCC(カーボン・コピー)、BCC(ブラインド・カーボン・コピー)で他のアドレスにも送信するようにしています。
が、どうやらメールが送信できていない。
そう気がついたのは2021年12月も大晦日に近づいたころ。
送信確認のため、CCで送信メール以外に管理する別ドメインにメールを送っているのですが、届いていない。送受信ボタンを連打しても届かない(それは届かない)。
メールが届かない状況を確認する
状況
送信元(FROM) | メールアドレスA・・・① |
送信先(TO) | メールアドレスB・・・② |
CC | メールアドレスC・・・③と① |
①と③は別ドメイン(@***.comの部分が別)
こういう状況で送信をすると
- CCの①にはメールが返ってくる
- ③は受信はできない(メール未着)
- ②第三者アドレスのため到着、未着が確認できない状況
さてどうしたものか。
あて先が存在しない場合など送信ができなかった場合に、ダエモン(MAILER-DAEMON)さんから、配信できなかったよメールが来ますが、今回はそれもなし。
届いているの?いないの?
届かない理由となる問題の切り分け
①と同じドメインのメールに送信しても受信はOK。②は第三者メールのため受信の可否は不明としても①と③の違いはなんだろう、と考えます。
あ、サーバーが違う。
この場合、同じドメインは同じメールサーバーを利用しているため問題ありませんでしたが、③については他社で運用しているサーバーを経由するため受信時点でなにかの理由で拒否されているものと推測。
なお、送信サーバーはエックスサーバー、CC受信側はGMO。
メール未着という状況を確認から数日後、送信元サーバーのダエモンさんからメールが到着しました。
こちらは、エックスサーバー のメールシステムです。
あなたのメッセージは、1人以上の受信者に届けられなかったことをお知らせしなければなりません。以下に添付します。さらに詳しい情報は、postmasterにメールを送ってください。その際、この問題報告も一緒にお願いします。
送信できなかったメールアドレスと併せてその状況についても述べられています。
host mx.*****[***.***.***.**] refused to talk to me:
554 5.7.1 Service unavailable; Client host [***.***.***.**] blocked using
gmo-rbl.jp; Poor Reputation Sender訳)(GMOのサーバー)は、私との会話を拒否しました。
554 5.7.1 サービスが利用できない; クライアントホスト (エックスサーバー)は、以下を使用してブロックされました。
gmo-rbl.jp; 評判の悪い送信者
さて受信ができない(送信できない)理由は受信側のサーバーで送信元がブロックされている、ということが分かりました。
いや、スパムを送りつけている自覚は無いんだけど。
確信犯的に大量のメールを無作為に配信している自覚があれば、納得もするところですが、そういった事実の認識は無し。
確かにサイトの機能として登録者へメルマガ配信は自動的に行っていますが1日1回、千に満たないというレベルなのでなんだか腑に落ちないところ。
GMOのサーバーだけ受信拒否られている?
ちなみに、Gmail(Google)、Yahooメール、iCloudにくだんのメールアドレスから送信してみると送信、受信はできる状態でしたが、他にGMO運用のメールのように拒否されているとも言えないため確認してみます。
通常であれば、この時点で受信サーバーのサポートへ確認と解除を依頼してもいいのですが、万が一、ということがあります。
自身は「シロ」という確証は得たいもの。
送信元サーバーは本当にブラックリスト入りしているのか?
あて先が「GMOで運用されるドメイン」だった場合はブロックされている、という事実。
ビジネス上ではメールでやりとりの機会も多い現状で、送信先がGMO上のメールなのかを個々に調べるのはちょっと面倒。(できることはできる)
spamhaus.org
世界でも信用の高い、迷惑メール対策機関。ここにブラックリスト登録されると多くのサーバーで拒否されることになるとかどうとか。
おそるおそる調べてみます。
でもまだ安心はできません。他にも迷惑メール対策をしているサービスはあるのでチェックしてみます。
blacklistalert.org
数多くあるブラックリスト登録サイトでの送信元IPのブラックリスト登録の有無を確認することができます。
さて、確認してみると問題なさげ。(1件 Listerd! リスト入り)がありますが、別の理由で問題なかったので広くブラックリストに入っているわけではなさそう。
ブラックリスト解除までの流れ
送信先サーバー(受信サーバー)サポートへ問い合わせ
今回はGMOのDNSBL「gmo-rbl.jp」によるブロック、ということが分かっています。
インターネット上でのブラックリストへの登録状況もある程度把握できたため、GMOインターネット株式会社へ以下を確認します。
- 受信できない状況について
- ブラックリストに入っているのは本当か
- 解除する方法
[法人名]: 株式会社西谷通信工業 福崎営業所
[お名前]: ** 様
[電話番号]: **********
[メールアドレス]: ************** [サービス名]: 「gmo-rbl.jp」ブロック解除の件
[サービスのご利用状況]: お問い合わせのサービスをご利用中
[提供会社名]: お名前.com
[お客様番号等]: *****
[お問い合わせ内容]
*******
GMOインターネットからの回答
お知らせくださいましたご情報を元に調査を行いましたところ、送信元サーバーのIPアドレスにおきまして弊社フィルタシステムの対象となっている状況でございました。
恐れ入りますが、制限対象となった事由につきましては該当送信元からのSPAMメールまたは大量送信を検知しての自動制限となりますため、送信元でのメールの配信状況につきましてご確認の上、ご対応後に状況、対応内容お書き添えの上、改めてご連絡くださいますようお願い申し上げる次第でございます。
なお、IPアドレスが共用の場合は、他のご利用者様の影響を受けている可能性がございますので、ご提供元様にご確認の上ご連絡くださいますようお願い申しあげます。
とても丁寧な回答が返ってきました。要約すると
- フィルタシステムの対象になっている(ブラックリストに入っている)
- リストに入った理由は「送信元からのSPAMメールまたは大量送信を検知しての自動制限」
- 解除には「送信元でのメールの配信状況の確認」「対応後に状況、対応内容の連絡が必要」「IPアドレスが共用の場合は他のユーザーの影響の可能性あり、提供元(送信元サーバー)に確認が必要」
というもの。信元サーバー(エックスサーバー)にも確認せねば。
送信元サーバーサポートへ問い合わせ
GMOインターネットからの内容を踏まえ、送信元サーバーを提供しているエックスサーバーへ連絡。自身では気づいていないスパム送信も併せて確認してみます。
現時点では、仰せいただいておりますようにお客様のIPアドレスにおいてブラックリストへのご登録は確認されませんでした。
ただ、共有サーバーという性質上、お客様にお心当たりがなくとも、他のユーザー様のメール送信の影響により、この度のようなケースが発生する場合がございます。
つきましては、当サポートにて状況を確認いたしまして、改めてご連絡いたしたく存じます。
ということで、しばらく待つ必要があるものの、当 iimono.town からのスパム行為は確認されず一安心。
翌日には解除になっていた
なにかしら通知があるものかと思っていましたが、送信元からの連絡があった翌日には送信が可能に。
送信可能とは言っても、やはり正式に「解除した」という形で通知がほしいもの。
GMOに確認
おや?
担当者さんが異なるのかもしれませんが、エックスサーバーからGMOへなにかしら対応なり通知があったのかと考えていると、
おやおや?
サポートに入っていただいた各社担当者さんとは別のところで何かしら対応が行われたようで無事、リストから解除されました。
共用サーバーからのメール送信の注意点
今回の送信できないトラブルでは第三者も同じ送信サーバーを利用する(送信IPが同じ)ことから、ドメイン(○○.com)に関係なくブラックリストに入ったのが原因。
よほどの理由で専用のサーバーを契約しているのであれば別ですが、通常は共用サーバーでの運用が大多数でしょう。
一部を除き月間数百円から3,000円程度のプランで運用されている場合は、共用サーバーというケースが多いでしょう。運用コストは低いながらも、1台のサーバーをシェアして使うため、他のユーザーの影響を受けやすい特徴があります。
影響を受けやすい、ということは影響を与えやすい、ということ。
改めて悪用されることのないよう、セキュリティー対策には努めたいところです。
次ページ:「おまけ CC、BCCでメールを送信する理由」
COMMENT
「非が無くても起こるメール送信不可。調べてみたらブラックリストだったので解除する」についての追加情報、感想などをコメントまでお寄せください。