2025年9月27日(土)と28日(日)の二日間、市川町文化センターひまわりホールで、心温まる演劇が上演されます。
市川町ふるさと公演「恋、おばあちゃんの~雨の神宮外苑編~」は市川町出身の岩本貴子さんが率いる演劇ユニット貴楽屋(たからや)によるもので、40年ぶりの同窓会をきっかけに、故郷への深い愛情から企画されたのだそう。
上演に先立ち、舞台の下見で市川町を訪れた岩本座長にお話を伺いました。
故郷への恩返し、同窓会から生まれた「ふるさと公演」の夢
【恋、おばあちゃんの】
ストーリー
愛、桂、絹の3人のおばあちゃんは、女学生の頃からの幼なじみ。
最近顔を合わせていない絹が、なんと認知症を患い、施設に入ると言う。それを認めたくない親友の愛と桂は、葛藤しながらも、絹の心残りを実現させてあげようと、家族を巻き込みながら、芝居を打つことに。
見守る先の絹の幸せな笑顔が、2人にとって、大切な思い出となる。
戦時中を生きてきた3人の青春の日々は、今も色褪せない。
舞台は広島。
戦争によって失われたものはあっても、恋心や、友情は奪えない。3人の友情は、永遠なのである。
Q. 市川町ふるさと公演を行おうと思ったきっかけは何ですか?
「40年ぶりに町立鶴居中学校の同窓会があったんです。久しぶりに帰ってきた故郷は、知っていたお店もなくなっていたり、人口も減っていると聞いて、なんだか寂しくなってしまって。この立派な市川町文化センターも、稼働が少ないという話も耳にしました。それで、『えー、じゃあ私ができることって、お芝居ぐらいしかないし!』と。文化センターを使わせていただいて、市川町の皆さんを元気にできないかな、っていう私の思いつきなんです。勝手な発想なんですけどね(笑)。」
この岩本座長の熱い想いに、同級生や町出身の有志が賛同。
小中学校の一つ上の、東平豊三(とうひらゆたみ)さんが、資金応援をして下さることになり、市川町からの後援もいただき、9月の上演が決定したそうです。
故郷を想う気持ちが、公演に繋がりました。
友情と家族の絆を描く、笑いと涙のドタバタコメディー!
Q. 公演作品「恋、おばあちゃんの~雨の神宮外苑編~」について教えてください。
この作品は、女学校時代からの幼なじみである愛と桂と絹の三人娘が主人公。いくつになっても恋する気持ちを忘れない、そんな彼女たちが繰り広げる、悲喜こもごものドタバタコメディーです。友情や介護をテーマに、家族を巻き込みながら物語が進んでいきます。
原作は広島友好さん、そして脚色・演出は岩本貴子さん自身が手掛けています。
「原作の広島さんは山口県の方なので、台本が山口弁で書かれているんですよ。初めて読んだ時、『この表現、かわいい!』と思ったんです。私はもちろん関西弁はネイティブなんですけど、関西弁で芝居をしている人ってそんなに多くないので、特徴はあったんですけど、今回初めて広島弁に挑戦したいと思いました。それには理由があって、やはり原爆のことを伝えて、平和へのメッセージを込めたかったからです。あえて設定を広島弁にして演じます。」
Q. 「雨の神宮外苑編」というタイトルには、どのような意味が込められているのですか?
「太平洋戦争も終盤の1943年(昭和18年)10月21日に、東京の明治神宮外苑競技場で学徒兵の出陣壮行会が開かれたんです。関東地方の入隊学生を中心に7万人もの人が集まったという歴史的な出来事で劇中に描かれています。」
単なるコメディーに終わらず、深い歴史的な背景も織り込まれているのですね。
市川町への愛が詰まった、特別版の舞台
Q. 市川町公演ならではの、他公演との違いはありますか?
「まだ予定段階ではありますが、市川町にあるお店の名前などを劇中に使って、ふるさと感を出せたらと思っています。そうすることで、観劇の楽しみも増えるかもしれませんね。」
地元の皆さんが「あ、あのお店だ!」と気づくような演出は、市川町での公演ならではの特別な楽しみになりそうです。
「友達って大事だね」舞台を通して伝えたい、絆のメッセージ
Q. この劇を通して、観客に一番伝えたいことは何ですか?
「やはり『親友って大事だね』ということです。劇中にも『友達は大事だよ』とおばあちゃんがおばあちゃんと孫に言うシーンが出てくるんですけど、まさにそれかなと思っています。そして、私自身がこのふるさと公演の応援隊、つまり同級生で結成してくれた実行委員会のようなチームに『応援隊』と命名したんですけど、本当にこの応援隊の同級生たちが、よく動いてくれているんです。
みんなで盛り上げていこう、という感じで。本当に友達ってありがたいし、繋がりって大事だなって。40年ぶりに会った子たちもいますが、そんな彼らが本当に手伝ってくれるということは、みんなが同時に市川町を大事に思っているということだと思います。
そして、繋がりをすごく大事にしてくれていて、きっと彼ら彼女らも町のために何かしたいって、潜在的に思っていたんじゃないかなって感じています。」
舞台で描かれる友情だけでなく、現在、高校時代の同級生たちや、小さい頃からお世話になった方々も、協力体制に入り、座長自身も故郷の仲間たちとの絆を改めて感じたのだとか。
親戚や従兄弟も、とても喜んでくれているそうです。
昭和時代劇を通して平和への願いを込める「演劇ユニット貴楽屋」
Q. 演劇ユニット貴楽屋は、どのような活動をしているのですか?
「私たちは『昭和時代劇』というものにこだわって活動しています。昭和という時代は、どうしても戦争のエピソードを避けて通れないので、必然的に平和へのメッセージを込めることになります。もちろん、平和を押し付けるような形ではなく、『平和を大事にしようよ』というメッセージになるように、ずっと作品を作っています。今回のふるさと公演に対し、理解をしてくれ、共に作品作りに当たってくれる貴楽屋の仲間にも感謝しています。」
単なるエンターテイメントとしてだけでなく、平和への強いメッセージを発信し続けているのだそう。
演劇と交流で深まる、市川町の魅力再発見
今回の公演は、演劇「恋、おばあちゃんの~雨の神宮外苑編~」の第一部に続き、第二部ではライブとトークイベントが開催されます。
トークイベントには町長、副町長をはじめ、支援者の東平氏と、その同級生で、照明家の左納氏(今回の照明も担当)そして、市川町代表の方もパネラーとして登壇予定。
「市川町にあったらいいもの」や「町の未来のために自分の未来や夢を考えよう」、「市川町のアピールできるところは」などについて語り合う予定だそうです。現在、事前アンケートも募集中とのこと。
(事前アンケート募集中)
この貴重な機会に、ぜひ市川町文化センターひまわりホールへ足を運んでみませんか?
イベントチケットは、市川町文化センター管理事務所(TEL:0790-26-0969)とチケットこりっち(https://ticket.corich.jp/apply/378572/)で販売中。
市川町文化センター管理事務所
【TEL】0790-26-0969
【休館日】火曜日・第3木曜日・祝日振替日・年末年始
受付時間 9時~17時
今回の公演は、岩本座長の故郷への深い愛情と、仲間たちとの温かい絆によって実現しました。
笑いあり、涙あり、そして深いメッセージも込められたこの舞台を通して、市川町の皆さんが元気になること間違いなし。ぜひ会場で、その感動を体験してください。
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