新型コロナワクチン4回目が始まろうとしている中、三回目がまだ、いやいや未接種だ、という人もいらっしゃることでしょう。
ワクチン接種の目的として「感染を予防する」「重症化リスクを下げる」という意味が主な目的ですが、6月はいってすぐ「ニ回接種のほうが未接種よりかかりやすい」という情報が一部話題にあがりました。
首相官邸「新型コロナワクチンについて」のページでは2022年6月3日時点の2回接種完了者は国民全体の80.6%にあたる102,084,276人が完了しており、3回接種完了者については59.5%となっており、あわせてワクチンに関する情報が随時公表されています。
接種回数別の感染者数等
6月3日時点では5月16日から5月22日までの1週間分について接種回数別の陽性者数が公表。
5月16日から5月22日まで
出典:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料
これによれば確かに30代、40代、60~64歳、65~70歳、70代について未接種より陽性率が高いことを確認することができます。
また65~69歳について3回目接種済者についても未接種者以上の陽性。
さすがに1週間分のデータだけでは「ニ回接種のほうが未接種よりかかりやすい」と断言するには早いので他の期間のデータも検証してみましょう。
5月9日から5月15日まで
出典:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料
5月9日から5月15日までの1週間では40代、60~64歳、65~70歳、70代について未接種より二回目接種済者の方が陽性率が高い結果。
また65~69歳について3回目接種済者についても未接種者以上の陽性。
5月2日から5月8日まで
出典:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料
5月2日から5月8日までの1週間では40代、60~64歳、65~70歳、70代、80代について未接種より二回目接種済者の方が陽性率が高い結果。
また65~69歳について3回目接種済者についても未接種者以上の陽性。
4月25日から5月1日まで
出典:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料
4月25日から5月1日までの1週間では40代、60~64歳、65~70歳、70代について未接種より二回目接種済者の方が陽性率が高い結果。
また65~69歳について3回目接種済者についても未接種者以上の陽性。
4月18日から4月24日まで
出典:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料
4月18日から4月24日までの1週間では30代、40代、60~64歳、65~70歳、70代について未接種より二回目接種済者の方が陽性率が高い結果。
年代ごとの特徴
4月18日から5月22日のデータに限定はされるものの、年代によって特徴がみられることがわかります。
年代 | 特徴(※4/18~5/22) |
0-11歳 | - |
12-19歳 | 接種回数が増えるほどに陽性者率は減る。特に2回目と3回目では大きな差。 |
20-29歳 | 接種回数が増えるほどに陽性者率は減る。特に2回目と3回目では大きな差。 |
30-39歳 | 未接種と二回目接種済者の陽性率はほぼ同じ |
40-49歳 | 未接種より二回目接種済者の方が陽性率が高い |
50-59歳 | 2回目、3回目と接種回数が増えるにつれ陽性率は低下 |
60-64歳 | 未接種より二回目接種済者の方が陽性率が高い |
65-69歳 | 未接種より二回目接種済者の方が陽性率が高い 3回目についても接種者と比較して同等、またはそれ以上の陽性率 |
70-79歳 | 未接種より二回目接種済者の方が陽性率が高い |
80-89歳 | 接種者の方が明らかに陽性率が低い。 |
90歳以上 | - |
3回目については64-69歳代への効果が数字の上では差が小さいことに疑問は残ります。
出典:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料
新規陽性者数、という点でみれば、未接種と比べると大きな効果を示していた2回目接種(1月17日から23日の1週間)ですが、5月末時点では、陽性率については80代以上を除き未接種者との差異は無くなってきていると言えるでしょう。
しかしながらワクチンの効果、接種の是非については重症化防止率など他のデータなどを踏まえ総合的に判断する必要がありそうです。
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