平成初期の福崎町は「ひと」が主役のまちへ
2026年に町制70周年を迎える兵庫県福崎町。10周年で「躍進」し、25周年で「成長」した福崎町が、次のステップとして目指したのは、「人々の暮らしの質」を高めることでした。
シリーズ第3回は、町制40周年(1997年・平成9年)を記念して制作された映像『ひと・ゆめ・まち』にスポットを当てます。
この映像は、福崎町が「成長期」から「成熟期」へと移行し、住民の夢と福祉を最優先する、温かいまちづくりを進めていた様子を記録しています。
地域ブランド確立と「快適な暮らし」への投資
1990年代後半の福崎町は、すでに整備されたインフラを活かしつつ、生活環境の向上と、地域独自の魅力を磨くことに注力しました。
町の個性を活かす
福崎町特産 もちむぎ麺、もちむぎのやかた: 映像には、地元の伝統的な作物である「もちむぎ」を特産品としてブランド化し、情報発信拠点(もちむぎのやかた)を設ける様子が記録されています。
これは、現在の福崎町の「地域ブランド戦略」の原点と言えるでしょう。
住みやすさの追求
広域ネットワーク、市街地整備、下水道の整備: 交通の利便性を維持しつつ、より快適で衛生的な生活を送れるよう、生活インフラの整備が着実に進められていました。
農業集落排水事業: 都市部だけでなく、農業集落にも排水処理を導入する取り組みは、地域全体の環境保全と公平なインフラ整備を目指す、先進的な姿勢を示しています。
映像が映す「住民の声」を活かす試み
映像に登場する「女性議会」は、当時の福崎町が住民の多様な声を町政に反映させようとした、民主的で先進的な取り組みです。
また、役場や40周年式典の様子からは、住民と行政が一体となってまちづくりを進めていた、連帯感が伝わってきます。
福祉・文化・教育:「ひと」を大切にするまちづくり
タイトルにある通り、この時期のまちづくりは「ひと」が中心です。社会の成熟に伴い、住民の心の豊かさや安心感が追求されました。
安心を支える福祉
デイサービスセンター: 高齢化が進む社会の中で、在宅での生活を支援するための福祉サービスが充実。地域全体で高齢者を支え合う、温かい仕組みが整い始めていました。
文化活動の多様化
アマチュアバンドフェスティバル、カルミナ四重奏団(エルデホール): クラシック音楽から住民参加型のアマチュアバンドまで、幅広い文化・芸術活動の場を提供。人々の感性を育み、暮らしに彩りを与えていました。
辻川界隈、三木家住宅、移設された柳田國男生家: 歴史的資産を大切に保存し、町のルーツを未来へ繋ぐ拠点として活用。
「妖怪のまちづくり」の素地となる文化的な土壌が、この時期にしっかりと守られていたことがわかります。
未来を担う子どもたち
田原小学校運動会、ライフ(スーパー): 子どもたちの成長を地域全体で祝い、生活の利便性も高まることで、子育て世代にも優しい町であったことが伝わります。
過去から未来へ!70周年を迎える福崎町の物語
10周年で「躍進」、25周年で「成長」し、40周年で「ひと・ゆめ・まち」を確立した福崎町。
3本の映像のバトンリレーは、町民の皆さんの情熱と努力の証です。
過去の映像で培われた「交通の利便性」「文化の継承」「福祉の充実」という3つの強みは、現在の「妖怪のまち」としての魅力発信や、地域ブランド「もちむぎ」の成功に脈々と繋がっています。
2026年、福崎町制70周年は、この素晴らしい歴史を振り返りつつ、さらに夢と希望に満ちた未来へ向かって、私たちが力強く一歩を踏み出すための絶好の機会となるでしょう












































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