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死亡者数の増加に対応「広域火葬計画の整備」を。厚生労働省

厚生労働省

厚生労働省は7日、各都道府県等の衛生主管(部)局に対して、オミクロン株の感染流行に対応した広域火葬計画の整備について連絡。

現在のオミクロン株の感染力の高さと合わせて死亡者数が全国的に増加している状況を鑑み、緊急の事態に対応できるよう、都道府県に対し、広域火葬計画を改めて確認し、必要に応じて神奈川県、千葉県の広域火葬計画を参考に規定の整備を行うよう依頼。

死亡者数の増加に対応「広域火葬計画の整備」を。厚生労働省

厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課

8日に上記情報をニュースとして公開したところ、SNSは早い反応が見られ、多くの関心が寄せられましたので追記。

コロナ死亡者数の推移

新型コロナ 死亡者数の推移(全国)

広域火葬計画

やはり気になるのは、表題にある「オミクロン株の感染流行に対応した」、文章中にある「死亡者数が全国的に増加している状況を鑑み、緊急の事態に対応できるよう」という文言。

連絡文を表面的に読んだ場合、「オミクロン株の感染流行による死亡者急増に対応した、大量の遺体を円滑に火葬できる計画を整備すること」と捉えることも可能なことが怖いところ。

オミクロン株の感染力の高さは周知の事実ではあるものの、感染はしても軽症、無症状が大多数と考えている人にとっては「実際は結構危ない状況なのか」と不安に考えてもおかしくはないでしょう。

このタイミングで「オミクロン株の感染流行に対応した広域火葬計画の整備について」という連絡がされた深意ははかりかねますが、「広域火葬計画」とはどういったものなのか。

「広域火葬計画」とは

広域火葬計画(正しくは「広域的な火葬に関する計画」)は、平成7(1995)年1月に起きた「阪神・淡路大震災」を踏まえ、以降進められるようになった計画で、以下の定義がされています。

広域火葬は、大規模災害により、被災市町村が平常時に使用している火葬場の火葬能力だけでは、当該市町村内の御遺体の火葬を行うことが不可能となった場合において、被災地の周辺の火葬場を活用して広域的に火葬を行うものである。

すなわち、大規模災害が発生した場合には、極めて多数の死亡者が発生する可能性があるが、他方、火葬場の火葬能力には限りがあるとともに、火葬場の施設そのものが災害により稼働ができなくなったり、火葬要員が不足したりする可能性もある。

その場合には、被災地の周辺の火葬場の応援を受けることが必要となる。広域火葬計画は、これを円滑に行うためにあらかじめ必要な事項を定めるものである。

「厚生労働省健康局生活衛生課(平成27年3月6日 健衛発0306第2号)」

火葬能力をはるかに超える死亡者が発生した場合に、関係部署、管下市町村、関係事業者間で大規模火葬が必要になった場合に必要な手順や体制を予め決めておきましょう、というもので、以下項目が計画には盛り込まれます。

「広域火葬計画」の内容

  • ① 基本方針
  • ② 広域火葬の実施のための体制
  • ③ 被災状況の把握
  • ④ 広域火葬の応援・協力の要請
  • ⑤ 火葬場の選定
  • ⑥ 火葬要員の派遣要請及び受入
  • ⑦ 遺体保存対策
  • ⑧ 遺体搬送手段の確保
  • ⑨ 相談窓口の設置
  • ⑩ 災害以外の事由による御遺体の火葬
  • ⑪ 火葬状況の報告
  • ⑫ 火葬許可の特例的取扱
  • ⑬ 引取者のない焼骨の保管

③から⑧までの事項は、都道府県、市町村、火葬場、関係事業者や関係団体及び国の相互間における情報伝達や各種要請の手順を定めるものであり、広域火葬計画において特に重要とされています。

「広域火葬計画」都道府県の整備状況

  • 1995年1月「阪神・淡路大震災」
  • 1996年1月 厚生省防災業務計画の改定(「広域火葬計画」策定に努める旨規定)
  • 1997年11月 「広域火葬計画の策定について(通知)」 厚生省(現:厚生労働省)
    ※広域火葬計画策定指針を厚生省生活衛生局が策定
  • 2014年11月 47都道府県中29都道府県が策定
  • 2015年3月 「広域火葬計画の策定の推進について(通知)」 厚生労働省
  • 2018年3月 47都道府県中37都道府県が策定
  • 2022年2月 「オミクロン株の感染流行に対応した広域火葬計画の整備について(通知)」厚生労働省

ポイント

平成7年(1995)の阪神・淡路大震災を踏まえ、その必要性から整備が進められている「広域火葬計画」は、厚生労働省から都道府県へ広域的な火葬体制を整備するよう再三「策定、整備の特段の御配慮をお願い」がされ、2018年3月時点で47都道府県中37都道府県が策定するものとなっています。

今回の厚生労働省からの通知は「大量の火葬ができる火葬場を作れ」、というものではなく、災害発生等、緊急の事態での死者数増加に対応できる「規定の整備、策定」を行うよう、というものですが、天災級の死者が出ないことを願うばかり。

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