「霧立のぼる」と言えば、百人一首87番 「村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ」を思い浮かべる人も多いのでは。
気象庁によれば現在では視界が1キロメートル未満の場合を「きり」、1キロメートル以上の場合を「もや」と呼びますが、平安時代は「霧」は秋限定のものだったとか。
さて姫路市立美術館では世界的に知られる「霧のアーティスト」中谷芙二子氏による、庭園アートプロジェクト第3弾が姫路市立美術館で開催中。
※トップ画像:
中谷芙二子 《白い風景―原初の地球》霧の彫刻 #47769 Series2、姫路市立美術館庭園、2024年5月2日
(C)Fujiko Nakaya (C)Himeji City Museum of Art
背に国宝姫路城を臨む姫路市立美術館では幻想的な霧が立のぼり「霧の彫刻」が生まれています。
2021年度から始まった「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」のコア・アーティストとして、中谷芙二子氏が率いるこのプロジェクトは、霧を彫刻の素材として使い、自然との対話や風景の音をテーマにした作品を展開しています。
2022年からの3ヵ年計画の一環として、初年度には《白鷺が飛ぶ》、2年目には《白い風景―原初の地球》という2つの作品が生まれました。そして、2024年4月からはテーマを「体・音・光」とした第3作目が制作。
4月27日からは、そのプロローグとして2作目の《白い風景―原初の地球》を再構成した作品が展示されています。
霧の発生時間は午前10時00分から午後5時00分の間、1時間に2回(詳細後述)。
天候や気温、時刻など条件によって変わる「霧の彫刻」は天衣無縫、一期一会。
霧をとおして、未来を担う子どもたちに自然へのリスペクトや、自由な心を大切にしてほしいという信念のもと霧を用いた作品を制作し続けている中谷氏。
滞留中の霧に迂闊に飛び込むと視界がオールホワイト(視界ゼロ)になるため、特に子どもと同伴の場合は注意が必要ですが、難しいことを考えずに「自然ってすごい、霧ってこんなふうになるんだ」という驚きとワクワクを感じることができます。
庭園アートプロジェクト 中谷芙二子 《白い風景―原初の地球》 霧の彫刻 #47769 Series 2
会期 | 2024年4月27日(土曜日)から12月1日(日曜日)まで |
開館時間 | 午前10時から午後5時まで |
休館日 | 午前10時から午後5時まで毎週月曜日(祝日・休日の場合を除く) 4月30日、5月7日、7月16日、8月13日、9月17日、9月24日、10月15日、11月5日 |
観覧料 | 無料 |
主催 | 姫路市立美術館 |
霧の発生時間
午前10時00分から午後5時00分の間、1時間に2回
- 通常時
毎時00分から10分間
毎時30分から5分間 - くもり、または低温高湿度の場合
毎時00分から5分間
毎時30分から5分間 - 小雨の場合
毎時00分から3分間
毎時30分から3分間 - 雨天、または湿度90%以上の場合は、公開を一時的に休止。
※霧の発生スケジュールは、その日・その時の気象状況によって変更される場合があります。
※上記以外の場合でも、やむをえず公開を一時的に休止したり、発生スケジュールが変更になる場合があります。
COMMENT
「天衣無縫。姫路市立美術館で中谷芙二子「霧の彫刻」三部作3作目始動」についての追加情報、感想などをコメントまでお寄せください。