地元企業と高校生が織りなす「共生社会」への一歩
2025年11月12日、兵庫県立播磨福崎・福崎高等学校の体育館は、熱気と優しい手話の動きに包まれました。
この日、同校で行われた人権教育講演会に、地元福崎町の企業・福伸電機株式会社の有志で結成された「手話ダンスチーム・チームフクシン」が登場。
高校生たちと手話ダンスを通じて、多様性(ダイバーシティ)や共生社会について考える、心温まる時間となりました。
福伸電機・岡本さんが語る「なぜ、手話ダンスか?」
講演会の冒頭、福伸電機の人事総務課に所属する岡本さんが、生徒たちに挨拶。
「なぜ、人権教育講演会に福伸電機が?」という疑問に対し、福崎町が施行した「手話言語条例」に触れつつ、企業の社会貢献活動の一つとして取り組んでいるのが「手話ダンス」であることを紹介しました。
手話ダンスは、「手話」と「ダンス」が融合したもので、障害のある方も一緒に楽しめるのが魅力です。
岡本さんは、この活動を通して人権や多様性という少し難しいテーマを「行動」で伝えたいと熱い想いを語りました。
企業チームの挑戦!「チームフクシン」の情熱
福伸電機の若手従業員で構成される「チームフクシン」は、2023年に福崎町で初開催された「全国手話ダンス甲子園」を目指して結成されたチームです。
聴覚に障害のあるメンバーも所属するこの実力派チームは、今年9月の第3回大会決勝では見事ダイバーシティー賞を受賞しています。
日本パラファンク協会の阿部裕彦さんは、
「生きているということは芸術、手話ダンスはアート。誰でも参加できる」
と、手話ダンスの持つ普遍的な魅力を伝えています。
体育館が一体に!感動のパフォーマンスとワークショップ
講演会では、体育館に集まった1・2年生約350人を前に、チームフクシンが人気ボーカルグループの楽曲に合わせて迫力ある手話ダンスを披露。
その後、メンバーが壇上から降りて生徒たちのすぐ前でサビの部分の手話を直接レクチャーしました。
最後は、メンバーと生徒たちが一体となり、手話ダンスを実践!
言葉を超えて感情を表現する手話の力を、身近に感じた瞬間でした。また、3年生も教室でリモート視聴に参加し、全校生徒がこの学びの機会を共有しました。
生徒の心に残った「共生社会の姿」
パフォーマンスとワークショップの後に、参加した生徒からは次のような感想が寄せられました。
「(話し)言葉だけでは伝えきれない感情や思いを手話や表情、体の動きで表現することがすごいと思いました。そして障害や年齢を超えて、誰もが参加できるこの舞台は共生社会の姿そのものだと思います。今日の講演を通して、私たち一人一人が持つ違いを尊重し、認め合い、共に生きる大切さを学びました。この学びをこれからの学校生活や地域活動に活かしていきたいと思います。」
手話ダンスという表現を通じて、生徒たちは「違いを認め合う」ことの重要性を学んだことでしょう。
地元企業と高校生が連携したこの講演会は、福崎町における人権教育と地域共創のモデルケースと言えるでしょう。
講演会の最後には共生のまちづくりを目指し、「手話ダンスプロジェクト2026」への参加も呼びかけられました。
「手話ダンス」を通じた産学(特非)連携の共生社会づくりプロジェクト









































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