※記載内容は公開時点のものになります。
神河町長谷本村区にある「足尾の滝」。
その足尾の滝には天空に生えたようなヒノキの大樹がそびえるというお話。
12年区長を務められている、本村区区長の中島(ナカシマ)さんにお話をお伺いしてきました。
足尾の滝とは
足尾(あしお)の滝は落差が28mで、安山岩の黒肌に一つの流れが二筋に分かれ、それが幾筋もの水の滴れになって滝壺に注がれています。
滝の周りにはカエデやナラ、それに落下揃とみえる風情のヤマツバキが咲きます。(画像・文章:かみかわ観光ナビさんより)
天狗のとまり木
「天狗のとまり木」の発見
ガン?
参考写真:神戸新聞 (2018/05/20)
「天狗のとまり木」の調査
(足尾の滝の絶壁を見上げた先に、天狗のとまり木※赤丸部分)
実際にヒノキの大木を発見してその生命力と力強さに圧倒された中島さん。2015年(平成27年)には樹木医の先生とともに樹高、根の状況、樹齢などの調査が行われました。
調査の結果
古枝から実測された樹齢はなんと1000年以上!
実際に枯れ落ちた小枝ですが切って磨いたものが下の写真。檜のいい香りがまだします✨
これからのこと。
それまで地域でも言い伝えにすぎなかった「天狗のとまり木」。
「もっとこの木を知ってもらおう」と中島さんたちは地元の有志の方達と山道や駐車場を整備したり、看板を設置とご尽力されたご様子。
天狗のストーリーを製作
ただ「天狗のとまり木」という名だけでは足りないと感じた中島さんは天狗のストーリーを用意。
地域の文献を片っ端から集め、見て、調べて「天狗の免許皆伝書」なる巻物を登山者向けに用意することを準備中。
せっかくなので。
天狗の免許皆伝書~「千年檜・天狗のとまり木」の云われ~
(作・本村区長 中島さん ※原文ママ)
犬見川の下流に位置する集落、大川原、本村、赤田、重竹、峠は大河内庄に属していた。
地名の由来は、大化年間(645年~650年)牧夫長者の一命を助けた犬が当地域で泣くなり、村人がこの地に犬塚を建てて供養した。それ以後、犬見と称するようになったという。
また皇極天皇(600年~645年頃)の御代蘇我入鹿に攻められた山背王(やましろおう)(聖徳太子の息子)は深山に住む天狗に身の安全守らすため、天狗庇護のもと大和を逃れて、越原真武長者を尋ねてきた。
山背王は天狗を当地深山にある風光明媚な滝の上に住まわせていた。山背王様がある日、病にかかられたため、当地の大中臣長麿は手を尽くしいろいろとお世話をしたが効き目なく落命された。
山背王は落命される前に天狗を呼び、お前が住んでいる深山の中で香の良い木を探し、その木を住拠とし、この先、永久に当地の守り神として尽くすよう命令したと言い伝えられている。
その木(檜)も断崖絶壁の落差40mの岩の上にそびえ立ち、樹高25mで、胸高120cmで直径145cmと樹齢壱千年以上の大木となり、根は左右の岩の上に直径150cmの太さで山上に向かって数本の根が伸びている。
天狗は深山に住み、山伏姿で顔が赤くて鼻が高く、背には翼があって、手には羽団扇(はうちわ)、太刀、金剛杖を持って神通力があって自由に移動すると、大昔より言い伝えあり、子供が悪さをすれば親たちは「天狗のとまり木」にくくりつけると、また、天狗が迎えに来て山奥に連れていくと子ども達に恐れられていたが、この天狗は、山背王様の遺言を守り、犬見の地に天変地異が起こらないよう犬見の郷人を見守ってきた。
本村区全体を盛り上げよう
地域の廃寺が防犯上、好ましくない、と判断すれば本山に掛け合い地域の憩いの公園にされるなど「天狗のとまり木」に限らずその行動力には圧倒されます。
いやしの森 犬見の郷
最後に
2018年7月現在でもふもとの駐車場から徒歩で足尾の滝、天狗のとまり木へ行くことも可能ですが、免許皆伝書、道程案内等、いろいろ準備もされたいご様子。
記録的な猛暑が続く2018年。秋の紅葉と併せて千畳屏風の足尾の滝を楽しむのもおすすめですよ。
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