進歩、飛躍が目覚しい昨今の「AI」。
日本語では”人工知能”とも訳される、AI(artificial intelligence アーティフィシャル・インテリジェンス)ですが、昨年来の対話型AI「ChatGPT(チャットジーピーティー)」の公開により、関連業界ではその話題に枚挙の暇がありません。
かねてより「対話型AI」と呼ばれるものはたびたび登場していますが、2016年頃、無料で利用できる範囲では、その回答は機械的であったり、汎用的でなかったり、回答の精度においてイマイチ信用性がなかったり(使えるレベルにするには学習のためのコストが必要だったり)。
実用シーンでのAIの投入は敷居が高いイメージがありましたが、近年ではユーザーからの問い合わせの削減と業務効率化を目的に、自治体(姫路市、加西市、神河町、朝来市)や企業のホームページへのAIチャットボットを見かけることも増え、普段の生活でもAIに触れる機会も増えました。
ちょっと寄り道してしまいました。
話題の「ChatGPT(チャットジーピーティー)」とは?なにができる?
ChatGPT(チャットジーピーティー)
AIの仕組みや詳細の説明は専門サイトで多く語られると思いますので本ページでは割愛。
話題となっているのは「その精度の高さ、流暢さ」。
膨大なデータのリサーチ、必要な情報の抽出や概要のまとめ、翻訳など幅広いテキストの生成を対話形式で行うことができるChatGPTは、「まずユーザーからの質問」から始まります。
GPTの最も重要な特徴は、文脈を理解して自然な文章を生成できることです。これは、GPTが大量のテキストデータを事前学習することによって実現されています。
GPTは、最初に2018年に発表され、以来、さまざまな改良が加えられており、最新のバージョンであるGPT-3は、最大で1750億のパラメータを持つ非常に大規模なモデルとなっています。
例としてあげられている質問では、
- 量子コンピューティングを簡単に説明する
- 10 歳の誕生日のクリエイティブなアイデアはありますか?
- Javascript で HTTP リクエストを作成するにはどうすればよいですか?
と即答できる人も少ないようなものも。
これをAIがスムーズに回答してくれるのであれば、素直に驚き。
なお、現時点での無料アカウントでのChatGPTバージョンは「ChatGPT 2 月 13 日バージョン」。
機能
- ユーザーが以前の会話で言ったことを覚えている
- ユーザーがフォローアップ修正を提供できるようにする
- 不適切な要求を拒否するように訓練されています
制限事項
ChatGPTは、自然言語処理を用いた対話を通じて、ユーザーの質問や要望に答えたり、会話を続けることができます。ただし、以下のようなことはできません。
- 誤った情報を生成することがある
- 時折、有害な指示や偏った内容を生成する可能性があります
- 2021年以降の世界と出来事に関する限られた知識(2021年までの知識がある)
ChatGPT(チャットジーピーティー)を試してみる
できないこと
- ChatGPT自身が完全な意思決定を行うこと
- セキュリティやプライバシーに関する問題の解決
- 特定の個人または企業に対する法的な助言を提供すること
- ChatGPT自身が新しい情報を生成したり、人間が持っていない情報を提供すること
- 特定の病気の診断や治療法の提案をすること
誤った情報を生成することがある
【質問】福崎町のガジロウってなに?
ChatGPT「福崎町のガジロウとは、鳥取県東伯郡福崎町に伝わる妖怪の一種です。福崎町周辺では、ガジロウという名前で親しまれています。
ガジロウは、人間のような姿をしているとされていますが、手足が長く、目は大きく、耳は小さいといわれています。また、妙な声を出したり、不気味な笑い声をあげたりすることがあるとされています。
ガジロウの起源については諸説ありますが、福崎町では、ガジロウが現れる原因として、「縄文時代にこの地域に住んでいた人々が、祖霊を祀るために造った巨石群が、ガジロウに変化した」という伝説があるとされています。
現在でも、福崎町ではガジロウをモチーフにしたグッズなどが販売されており、観光客にも人気があります。」
【質問】兵庫県神崎郡の沿革を教えて
ChatGPT「
兵庫県神崎郡は、かつては独立した郡として存在していましたが、現在は姫路市、加古川市、たつの市、相生市の一部となっています。以下に、神崎郡の主な沿革を示します。
- 1889年(明治22年)4月1日:町村制施行により、神崎郡が発足。
- 1951年(昭和26年)4月1日:姫路市との合併により、神崎町が成立。
- 1954年(昭和29年)4月1日:神崎町が、八代村、八幡村、神和村、上佐波村、下佐波村、西脇村、日高田村、日高見村、山田村、和田山村、南加古川村、中加古川村、加古郡稲美町、加古川市の一部と合併し、新たな神崎町が成立。
- 1955年(昭和30年)4月1日:神崎町が、竹田村、鶯野村、柏原村、勝原村、氷上村、御津町、佐用郡朝来村の一部と合併し、新たな神崎町が成立。
- 1971年(昭和46年)4月1日:神崎町が、太子町、八鹿町、揖保郡太田町、揖保郡二見町、揖保郡出石町、揖保郡久米南町、揖保郡久米北町、揖保郡太良町、揖保郡加美町、揖保郡市川町、揖保郡播磨町、揖保郡多可町と合併し、新たなたつの市が成立。
- 2005年(平成17年)1月1日:神崎町が、相生市と合併し、新たな相生市が成立。
以上が、兵庫県神崎郡の主な沿革です。」
地域外の方からすれば一見正しそうな情報ですが、ツッコミ所満載の情報が生成。
フィクションとしては様々な虚構を生成するアイデアにはなりそうですが、事実として利用するには要確認。
2022年以降の情報や、リアルタイムの情報は生成できない
【質問】日本のマイナポイントはいつまでですか?
ChatGPT「マイナポイントとは、日本政府が2020年に実施した消費喚起策の1つであり、個人がキャッシュレス決済を利用することでポイント還元を受けることができました。
マイナポイントについては、2021年6月30日をもって申し込み期間が終了し、2021年9月30日をもってポイント付与が終了しました。すでに付与されたポイントについては、2022年6月末日をもって使用期限が切れる予定です。」
明日の天気は?
つまり、当サイトのようなローカルの情報サイト、ニュースサイトで利用できるようなタイムリーな情報の提供ということはできない模様。(自身の足で探せってことね)
また、確定した歴史情報であっても、まだまだ勉強中なのかそのままでは使用することはできませんが、正しい情報を入力すると「ご指摘ありがとうございます。訂正いたします。」とすぐに学習していきます。
できること
- 質問応答: ChatGPTはユーザーからの質問に回答することができます。例えば、歴史の出来事についての質問、科学的な問題についての質問、ニュースについての質問など、様々な分野の質問に答えることができます。
- テキスト生成: ChatGPTは、与えられたテキストに基づいて文章を生成することができます。例えば、小説の続きを作ったり、エッセイを書いたり、会話の流れを作ったりすることができます。
- 言語翻訳: ChatGPTは、ある言語で書かれた文章を別の言語に翻訳することができます。
- 自然言語理解: ChatGPTは、文章の意味を理解し、それに対して適切な応答を生成することができます。例えば、会話の相手が何を言いたいのかを理解して、適切な返答を返すことができます。
- 文章分類: ChatGPTは、文章の内容に基づいて、それが何に関するものかを判断することができます。例えば、ニュース記事が政治、経済、スポーツ、科学などのどのカテゴリに属するかを判断することができます。
- 会話システム: ChatGPTは、人工知能の会話システムとして使用することができます。ユーザーとの会話を通じて、質問や問題の解決、情報の提供などを行うことができます。
ちなみに上記はChatGPTに「ChatGPTでできることは?」と聞いて返ってきた内容。
【質問】「福崎町 ガジロウ 妖怪 もち麦」を使って楽しい感じの歌詞を作って
はい、こちらの歌詞をご覧ください。
(イントロ)
ヨーホーレイ!ヨーホーレイ!
福崎町のガジロウが出たよ!
モチモチしたもち麦で、
楽しい時間を過ごそう!(サビ)
もち麦もち麦、食べて踊ろう!
福崎町のガジロウ、今日も元気だね!
もち麦もち麦、食べて歌おう!
福崎町のガジロウ、みんなで楽しもう!(バース1)
妖怪ガジロウが住むこの町、
自然豊かで素晴らしい場所。
もち麦を収穫して、お餅にして、
楽しく食べるのが習慣だよ。(バース2)
お祭りの時は、ガジロウが踊る。
みんなで手を取り合って、
輪になって踊ろう!
もち麦を持って、楽しい時間を過ごそう!(サビ)
もち麦もち麦、食べて踊ろう!
福崎町のガジロウ、今日も元気だね!
もち麦もち麦、食べて歌おう!
福崎町のガジロウ、みんなで楽しもう!(アウトロ)
ヨーホーレイ!ヨーホーレイ!
福崎町のガジロウ、もち麦で楽しもう!
この間、十秒程度。ちょっと修正は必要なもののすぐに作詞してくれたChatGPT。
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気がつくと小一時間が経過。(昼休憩終わってた。)
検索方法が劇的に変化する?
聞けば必ず答えが返ってくる「ChatGPT」(正しいか、正しくないかの判断、確認は必要)。
従来
- 検索エンジンで質問を検索
- 検索結果ページから情報を確認
- 情報の比較
- 自分なり回答をまとめる
ChatGPT 以降
- ChatGPT に質問する
- 回答が返ってくる
これからさらに目が離せない「AI」競争
従来あれば知りたいことがある場合はGoogleを利用して検索(いわゆる「ググる」)することが当たり前でしたが、ChatGPTの出現によりその行動は劇的に変化する可能性があります。
現時点ではAIの答えについて考える必要はあるものの、なにかを考える前のヒント、アイデアのひとつとして活用は十分できそうなChatGPT。
ChatGPT は、従来の検索結果ページからリンクページへアクセスし、自分で考える時間、というものを大幅に短縮してくれるシロモノですが、大きく出資しているのはWindowsでお馴染み「Microsoft(マイクロソフト)」。
ChatGPTは、OpenAIが開発した人工知能の言語モデルで、Microsoftは、OpenAIに出資、OpenAIが開発する人工知能技術に対する大きな支援を行っており、自社の検索エンジンBingにもその技術を組み込み、検索エンジンとしての優位性を高めています。
Googleも黙ってはいない
こうなってくると検索エンジン、Adsによる広告収入を主な収益とするGoogleも危機感を覚えずにはいられないところ。
「ChatGPT」に対抗すべく、Google検索エンジンに会話型 AI サービス「Bard」を展開することを2月初旬に発表。
現在は限定的なユーザーにテスト公開されているようですが、遠くない将来、Google検索でも会話型AI「Bard」が実装されることでしょう。
2ヶ月でユーザー1億人を達成したということからもChatGPTの革新的な技術は多くの人の目に留まるところですが、「Microsoft」VS「Google」の行方はいかに。
なお、GPT(Generative Pre-trained Transformer)は 大規模なテキストデータを使用して事前学習されたモデルで、Googleが2017年に発表したTransformer と呼ばれるアーキテクチャをベースにしています。
ChatGPT(チャットジーピーティー)の料金
「無料」で利用可能ですが、有料アカウント(20米$/月)にアップグレードすることで、応答速度の高速化、混雑時でも制限なく利用が可能になります。※ChatGPT 2 月 13 日バージョン
利用料金
フリープラン | 無料 |
ChatGPT プラス | 米ドル $20/月 |
機能の違い
フリープラン | ChatGPT プラス |
需要が少ないときに利用可能 | 需要が多い時期でも対応可能 |
標準応答速度 | 応答速度の高速化 |
定期的なモデルの更新 | 新機能への優先アクセス |
私たちの目標は、システムを改善し、より安全にするために、外部からのフィードバックを得ることです。
安全対策を講じていますが、システムが不正確または誤解を招く情報を生成し、攻撃的または偏ったコンテンツを生成することがあります。アドバイスをすることを目的としたものではありません。
データの収集方法
- 会話は、システムを改善するために AI トレーナーによって確認される場合があります。
- 会話で機密情報を共有しないでください。
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