こんにちは!皆さんは、普段使っているネット銀行や地方税について、どこまでご存知ですか?
実は今、インターネットの普及で、私たちが銀行に預けているお金にかかる税金の一部、「道府県民税利子割(りしわり)」の取り扱いについて、大きな見直しが進んでいます。
この見直しは、政府の「地方財政審議会・地方税制のあり方に関する検討会」で話し合われ、令和7年11月21日にその概要が公表されました。
この記事では、この難しいテーマをやわらかく、わかりやすく解説していきます。
利子割って、もともとどういうルールだったの?
私たちが銀行に預金すると、利子がつきますよね。この利子から引かれる税金の一部が「道府県民税利子割」です。
制度ができた当時の考え方
もともと、この利子割の税金は、
- 「納税義務者(預金者)の住所地」(=本来お金が行くべき場所)
- 「預貯金の口座がある場所(銀行の支店など)」(=実際に課税する場所)
が、だいたい同じ場所にあるだろう、という考えで設計されていました。
だから、特別な手続きをせずとも、銀行の支店がある都道府県に税金が入る仕組みになっていたんです。
今、どんな「ずれ」が起きているの?(現状と課題)
経済社会の変化、特にインターネット銀行の登場で、この昔ながらの前提が崩れてしまいました。
ネット銀行が引き起こした「税収のねじれ」
インターネット銀行や実店舗のないインターネット支店は、本店が一つの都道府県(特に東京都に集中する傾向があります)に集中しています。
あなたが兵庫県に住んでいても、ネット銀行に預金すると、その利子割は本店がある東京に納められてしまう構造になっているんです。
本来、あなたの住民サービスに使われるはずの税金(利子割)が、あなたの住む兵庫県ではなく、東京に入ってしまう「乖離(かいり)」が生じているわけです。
実際に、利子割の税収における東京都のシェアは、近年40%以上と、他の個人住民税(20%程度)と比べても飛びぬけて高くなっています。
これは、多くの人の利子割がネット銀行を通じて東京に集まっていることを示しています。
どうやって「ずれ」を直すの?(具体的な対応策)
この「ねじれ」を放っておくわけにはいきません。地方ごとの公平性を保つため、今回、画期的な方法が検討されています。
「清算制度」を新しく始めよう!
報告書では、この税収の「ねじれ」を解消するために、「清算制度」という仕組みを新しく導入すべきだとしています。
これは、簡単に言うと…
銀行を通じて一度入ってしまった税金(例:東京に集まった利子割)を、本来その税金を使うべき人(納税義務者)の住所地に合わせて、都道府県間で後からお金を分け合う(清算する)仕組みです。
どのように「清算」するの?(清算基準)
「どれだけのお金を、どの都道府県に渡せば公平なの?」という基準が必要です。
この基準には、利子を生み出す預貯金の多さと関係がある、「住所地ベースの所得に関する課税データ」を使うことが考えられています。
なぜなら、このデータは信頼性が高く、事務作業も簡素にできるからです。
この清算制度を導入することで、あなたの住んでいる都道府県に、あなたが払った利子割のお金がしっかりと行き渡り、その地域のサービスに役立てられるようになります。
まとめ
今回の見直し検討は、デジタル化が進む現代に合わせた、地方税制の公平性を保つための大きな一歩です。
- 課題: ネット銀行の普及で、利子割の税収が本来の住所地(納税者の住む都道府県)ではなく、銀行の本店所在地に偏ってしまう「ねじれ」が発生している。
- 対応策: この「ねじれ」を解消するために、都道府県間で税収を調整し直す「清算制度」を新しく導入する。
今後、この清算制度の詳細が詰められ、地方の財政がより安定し、全国の住民サービスが充実していくことが期待されます。



































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