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【養父市】公民館でオンライン診療の実証事業を開始。へき地等における医療アクセスの改善に

【養父市】公民館でオンライン診療の実証事業を開始。へき地等における医療アクセスの改善に
暮らし

養父市とPHCホールディングス株式会社傘下のウィーメックス株式会社、株式会社ブイキューブは、養父市の公民館「あけのべ憩いの家」に、リアルタイム遠隔医療システム「Doctor Cart」(*1)が搭載された「TELECUBE」(*2)を設置し、2023年11月7日よりオンライン診療の実証事業を開始。

本実証事業は、2023年5月18日の厚生労働省医政局による通知「へき地等において特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設について」(*3)を受け、へき地における持続可能な地域医療の提供をめざすことを目的とした取り組みとのこと。本通知により、地域の公民館等で医師が常駐しない診療所の開設が可能となります。

養父市などの少子高齢化が進む中山間地域では、医師の地域偏在による医師不足と高齢者の医療アクセスの改善が課題となっています。養父市では、通院に利用できる公共交通体系は維持されているものの、限られた路線バスの運行とあわせて、運転免許自主返納者も増えています。
マイカー運送など支援策はとられていますが、最寄りの診療所は車で15分以上かかる場所にあり、交通手段の少ない高齢者にとっては、通院のためのハードルが高く適正頻度で受診できないケースの増加が懸念されています。医師による訪問診療も実施されていますが、対応する医師の数も限られており、すべての患者さんに適切な医療を提供することが難しい状況にあります。

今回の実証事業では、養父市明延地区にある「あけのべ憩いの家」で医師が常駐しないオンライン診療のための診療所を開設し、診療が行われます。「あけのべ憩いの家」は、もともと診療を目的とした施設ではないため、ブイキューブが提供する防音個室ブース「TELECUBE」内に、ウィーメックスのリアルタイム遠隔医療システム「Doctor Cart」を設置することで患者のプライバシーに配慮した診療が実施されます。

【養父市】公民館でオンライン診療の実証事業を開始。へき地等における医療アクセスの改善に
「あけのべ憩いの家」に設置した防音個室ブース「TELECUBE」と遠隔医療システム「Doctor Cart」

※実際は、「TELECUBE」周辺に白いボードが設置され、患者さんのプライバシーに配慮した形でオンライン診療が行われます。

実証事業の概要

期間2023年11月7日~2024年3月31日
場所あけのべ憩いの家
対象兵庫県養父市明延地区の住民 9名
想定シーン医師の常駐しない診療所でのオンライン診療による診察
検証事項・本実証事業の患者さんおよび医療従事者にとっての有用性
・「Doctor Cart」を用いたオンライン診療における運用課題・ニーズ
・公共の場で患者さんのプライバシーに配慮したオンライン診療実施に必要な「TELECUBE」などの設備・機器等の検証

なお、実証事業に先んじて行われたオンライン診療を受ける患者さんへの説明会(2023年10月13日実施)では、「TELECUBE」内に設置された「Doctor Cart」の高性能スピーカーを通じて音がクリアに聞こえたため、「先生の声がしっかり聞き取れ、会話もできた」と安心されていらっしゃいました。
また、「雪が降ると診療所に行くのが大変だからとても嬉しい。助かります。」といった期待の声もありました。

養父市長 コメント

養父市のように、住民の高齢化や診療所へのアクセスが不便な地域は全国に多くあります。医療資源が限られ、高齢化が進む地域において住民に医療を届ける手段の選択肢として、今回の実証事業が有意義な取り組みになることを期待しています。

 

(*1)https://www.phchd.com/jp/bx/telehealth/services/doctorcart
https://www.phchd.com/jp/bx/telehealth
(*2)https://jp.vcube.com/telecube
(*3)2023年5月18日厚生労働省発令
「へき地等において特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設について」https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001103168.pdf

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