兵庫県ではGOTOイートが再開となり、発行済みの食事券については10月22日より利用が再開されました。
25%のプレミア分が付くお食事券。
一般的には特に意識はしませんが、中には食事券の利用にあたって、交際費、福利厚生費、会議費など会社経費のとしての利用することを考えられる方もいらっしゃるのでは。
公式からは食事券の購入、領収書について以下の記載があります。
食事券購入時のお支払いは『現金のみ』です。また領収書は発行いたしませんので、ご必要な場合は利用された飲食店で発行を依頼して下さい。
購入場所である郵便局や商業施設での領収書は発行されません(兵庫県の場合)。
「利用した飲食店で領収書を発行してもらう」ことになりますが、問題となるのはその記載内容。
すでに利用した、領収書を発行した、という店舗でもその対応方法は様々なよう。
- 食事券利用分も含めて領収書を発行
- 食事券利用分は除き、現金部分のみの領収書を発行
- 領収書を発行しない
領収書 とは
「金銭又は有価証券」の受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書のこと。
現金でのやりとりについては問題ありませんが、気になるのは「食事券」が有価証券なのか?という点。
「食事券」が商品券なのか、クーポン券(割引券)なのかでその記載方法は変わります。
商品券 | 額面通りの価値があり、単体で利用できるもの |
クーポン券(割引券) | 一定額の商品購入時など条件付きで利用できるもので単体では利用できない |
GOTOイートの食事券は、お釣りはでませんが、単体でも利用でき、事務局より店舗へ食事券額面分の精算金が指定の銀行口座に振り込まれることから商品券(有価証券)と判断できます。
領収書発行時は食事券利用分も含めての領収書を発行する必要があるでしょう。
「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」はもちろんのこと、受取事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、「相済」とか「了」などと記入したものや、お買上票などでその作成の目的が金銭又は有価証券の受取事実を証明するものであるときは、金銭又は有価証券の受取書に該当します。(国税庁より)
領収書の発行の意味
代金支払い時に発行される支払いの証明で、二重に請求されるのを防ぐ役割があります。
逆に店舗側では発行は1度でよく、再発行はしなくてもOK(再発行時に収入印紙は不要)。
通常は
領収書の発行は義務?
「民法第486条」では「弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる」とされています。
この文章がなかなか読み解きにくく「請求された場合、交付しなければならない」とでもあれば「義務」と容易に判断がつくのですが、厳密には任意規定であるため、当事者間で「領収書の発行義務はない」と誓約されていれば、その義務は無効化されます。
義務は無いけれど、理由無く拒否はできない、というちょっとややこしい領収書発行。
食事券を利用した領収書の発行時の問題
さて、店舗側で領収書を発行するとして、どういったケースが考えられるでしょうか。食事券は商品券(有価証券)のため、領収額に含めてOK。
なのですが。
但し書き、内訳なしで金額のみ領収書を発行した場合
「Go TO Eat ひょうごキャンペーン」を例にすると、額面12,500円(500円×25枚)の食事券を10,000円で購入しますが、ちょうど12,500円の食事を行い、全て食事券で支払った場合、領収書はどうなるでしょうか。
但し書き、内訳なしで領収書を発行した場合、表向きには12,500円の領収書となり、店舗も事務局により12,500円が振り込まれるため、店舗としては問題ないように思いますが、Aさんが実際に使った金額は食事券の購入代金の1万円。
特に商品券の記載がなく、発行した場合、Aさんは会社に12500円を使ったと申請した場合、不正に2500円の過分な収入を得るケースも考えられます。
これが10倍、20倍の金額になるとその金額も大きくなるでしょう。
トラブルを防ぐために
トラブルを防ぐためにも「領収書の合計は利用金額(12500円)でOK。ですが、但し書き等に食事券の利用金額(食事券:12500円)等」を書きましょう
店舗へは事務局より指定の銀行口座に食事券分の精算金が振込まれますが、プレミアム分を悪用されるケースも考えられるため、県によっては「領収書」の書き方について明示している団体(宮崎県商工会議所連合会 など)もあります。
©宮崎県商工会議所連合会
しかしながら「利用店舗にご確認ください」と領収書発行については深く言及していないケースも多くみられ、食事券利用時の領収書の発行は店によってばらばらな様子。
利用者側
- 金額と食事券の合算金額の領収の発行を請求することができます。
- 「利用項目 商品券をなし」「但し書きなし」といった要求はできません。
- ポイントを利用時は「値引き」になるため、領収書の金額には含まれません。
- クレジットカード利用時は「クレジットカード払い」の旨が記載されます。
領収書発行のルールは店舗それぞれですが。
すべて商品券(食事券)で利用した場合、お店側の現金での受け取りはありませんが、商品券、各種のプリペイドカードは印紙税法上の有価証券(第14号文書、第17号文書に規定する有価証券)「国税庁」。
領収書は「金銭又は有価証券の受取書」であるため、商品券(食事券)は領収額に含める必要があります。(5万円を超える領収書※紙には収入印紙も必要)
なにかと複雑に見える「領収書発行」ですが、利用者、店舗ともに領収書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)の発行対象(金銭又は有価証券)なのかどうかを見てみると、不要なトラブルも減ることでしょう。
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