八千種研修センター和室にて、毎週火曜日ヨガレッスンをしているヨーガ教室ONEのMayoです。
お盆前から長引いた大雨にうんざり、という方も多かったのではないでしょうか。これは、猛暑で気温上昇し、海水から水蒸気が発生したために、大きな雨雲ができたと言われています。(一説です)
あまりしませんが、たまに周りの人に温暖化や環境問題の話題を出すと、だいたい反応は「仕事のことで頭がいっぱい」「大袈裟やなぁ」「人間が生きている限り、仕方ない」「自分1人が何かしても同じやし」「そんなこと考えててエライなぁ(他人事)」といった感じです。
それが「良い・悪い」ではありません。ここまで気候変動の影響を受けていても、まだどこか当事者意識がないのはその深刻さを知らないから、というだけなのです。
知ることで、意識が変わり、行動が変わり、優しさに変わります。
今回は、今、地球に何が起きているのか、なぜ起きているのか、私たちに何ができるのか。ということを前編・後編に渡って、お伝えしていきます。
①そもそも、地球温暖化とは?
小学生の頃に習った「地球温暖化」。簡単に説明すると・・・
地球は、太陽からの熱が海や陸に届くことによって温められています。
しかし、全ての熱を受け取ると暑すぎるので余分な熱は宇宙へ放出されます。しかし、たくさん熱が逃げすぎると地球の平均気温は氷点下19℃まで下がってしまうと考えられています。そこで、「温室効果ガス」が放出される熱の一部を吸収し、地球を生き物が住みやすい環境に保ってくれているのです。
温室効果ガスとは、大気中にある二酸化炭素やメタン、フロンなどのことです。
しかし、快適な環境に保つはずの温室効果ガスが増えすぎると、宇宙に放出されるはずの熱が地球にたまりすぎてしまいます。そのため、気温が上昇し「地球温暖化」という状態になるわけです。
参考:全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)ウェブサイト
地球温暖化が起こると、こんな影響があります。
- 北極や南極の氷が溶けて海の水が増え、陸地が減る・・・低い場所にある土地や小さな島などが海に沈んでしまう。陸地の奪い合いが起きる。
- 動物や植物が少なくなる・・・陸地が減ることで、南極や北極に住む動物や森や木、森に棲む生き物の住む場所がなくなる。もし4℃気温が上がると、地球上の動植物の40~70%が絶滅に危機におちいる。
- 気候が変わる・・・今まで寒い気候だった場所が寒くなくなったり、暑い場所がさらに暑くなったりする。氷がとけたりして海が広がることで、雲ができるしくみや風の吹きかたなどが変わる。大雨や洪水、台風が増えたり、雨や雪が少なくなる場所や、砂漠になる場所が増える。
- 伝染病が増える・・・アフリカなどの暑い国で発生していたマラリアなどの伝染病にかかる地域が増える。
- 食べ物が少なくなる・・・気候変動の影響で、雨が降らなくなる場所が増えたり、台風や洪水が増えて田んぼや畑がダメになり、米や農作物が取れなくなる。干ばつが起きて、植物が育たなくなる。
これらは、遠い国のことや人間以外の動物たちのことではありません。
神崎郡周辺に住んでいる私たちに、すでに温暖化の影響はやってきています。
今回の大雨が原因で、野菜の根っこが腐ってダメになったり、日照不足で育たなかったり、今までの労力や費用を考えるととても残念なことです。
② 今、世界で何が起きているのか
日本では、世界で今何が起こっているのか、あまり報道されません。それは、テレビ局が視聴率が取れる他の話題や番組を優先して放映しているからです。もし、地球環境問題に関心をもつ人が多くいて、視聴率が取れるのであれば、テレビでも当たり前のように放送され、さらに多くの人の関心に繫がるのです。つまり、私たち視聴者が放映されないよう選んでいるとも言えるのです。
ちなみに、ヨーロッパでは、ほぼ毎日テレビのトップニュースが環境問題だそうです。
●干ばつによる食料・水不足・・・アメリカ/オーストラリア/中国/インド/アフリカ南部
干ばつ・・気温の上昇による乾燥で、大地がひび割れて作物が育たなくなる状態。日本では、あまり身近に感じないですね。
●バッタの大量発生・・・もともとケニアで始まった。バッタは水に卵を産み付ける習性がある。例年にない大雨で大多数の水たまりができ、そこにバッタが卵を産み付けたため、大量発生。それが20か国以上へと広がり、2020年にはバッタに食べられて1億人以上の食料(農作地)が壊滅。
●オーストラリアの森林火災・・・2019年冬。2000以上の家屋と30億匹以上の動物が焼失。コアラが食べるユーカリの木は、樹脂をたくさん含んでいるので乾燥が進んだ状態で気温が40℃を超えると自然発火する。(アメリカ/ロシア/フランス/ポルトガルなど世界各地にも、樹脂を含んだ木が生息しているので森林火災が起きている)
●アマゾンの森林火災・・・畜産動物の飼料を作るため、人間がアマゾンの自然を燃やしている。牛肉1KGのために必要な餌は、トウモロコシ11Kg分。牛1頭が消費する食料は、人間400億人分と言われています。そのため世界では、肉や乳製品を減らす人が増えてきている。
●台風・豪雨・洪水・・・2020年1月オーストラリアで100年に1度と言われる豪雨洪水。2月ブラジルで子供が立てなくなるくらいの豪雨・洪水により50名が死亡。2月スペインで超大型の波を伴う嵐が起きた。津波ではないのに、15m(東北の地震時の津波と同じ高さ)の波が発生。9月スーダンの町ひとつが水の中に沈んだ。
●ヨーロッパ各国で40℃を超える気温・・・夏でもクーラーいらずの涼しく快適なヨーロッパで、2019年7月熱波が襲い、7万人が亡くなった。人間は、39℃を超えると心臓発作の危険があり、40℃で大脳が危険な状態になり、41℃を超えると生命の存続が難しい。外に出ると命の危険があるので学校は閉鎖され、線路は熱で膨張し電車はストップした。
●南極で歴史上最高 20℃超え・・2020年2月、南極の雪や氷の4分の1が溶けた。海面上昇の原因になっている。もし、全て溶けたら海面が60m上がると言われている。
●北極圏で38℃を観測・・・この気温は科学者の間ではあと100年後と言われていたので、予想をはるかに上回るスピードで気温が上昇している。
●史上初グリーンランドの氷床・最高地点で雨を観測・・・2021年8月、観測史上初めて雪ではなく雨を確認。大雨は3日間に渡り、雨水が原因で氷も大量に溶けた。1989年に観測始めて以来、真夏でも降雪しか確認されたことはなかった。(一度溶けた氷は元に戻りません)
中国では排気ガスや工場の煙でモヤがかっているけど、カナダやアメリカでは森林火災の煙でモヤがかるというのが毎年夏の恒例になっているらしいよ。
③このまま、何も変えないとどうなるのか。
IPCC(=気候変動に関する政府間パネル)によると、2100年には今より気温が約4.0℃上昇する予測をしています。それにより日本では、30℃以上の真夏日が1年で約52日に増え、デング熱のウィルスを持った蚊が異常に増えたり、ゲリラ豪雨の多発して街の機能が麻痺すると予想されます。(環境省ウェブサイトより)
今の時点で、200年前の産業革命(二酸化炭素の排出量が増え始めたころ)から1℃気温上昇しています。今後、1℃から2℃へと上昇すると気候変動の影響は劇的に悪化します。そこで、気候変動対策の国際枠組「パリ協定」で、気温上昇を2℃未満(1.5℃以内を努力目標)へ抑えようという目標にしています。
2018年に、IPCCは気温が1.5℃上昇するのは2030年~50年と予測していたのですが、3週間前の発表によると気温上昇のスピードが加速しており、10年早まり2021年~40年には1.5℃上昇すると修正しました。
自然災害を増やす温暖化を抑えるには二酸化炭素排出を実質ゼロにすることが必須である、と発表しています。
まだまだ先のことだと思っていたけど、急に現実味が出てきたよ。
未来はこうなる、ではなくて、今起こっていること、なんだね。
政治家や科学者が議論しているけど、他人事と思っていました。
私たちの日々の生活や命にも直接関わっていることなんですね。
<2100年 未来の天気予報『1.5℃目標』未達成・達成 夏>10分18秒
参考:環境省COOL CHOICE
④今なら、未来を変えられる!
森林火災は乾燥地帯のオーストラリアやアメリカで、日本は湿度が高いから関係ない。干ばつはアフリカや遠い国のこと。熱波がきたのが日本じゃなくてヨーロッパで良かった。豪雨で河川氾濫してるけど市川じゃないし。
人が大変な目に遭っているときに何か行動しないと、自分の番が回ってきたときにはもう手遅れです。世界中で起こっている気候変動の被害が、自分の身に降りかかってこない理由がありません。対岸の火事ではないのです。
しかし、気候危機ではあることは事実ですが、今ならまだ温暖化を止めることが出来ます。
大きく見える問題は、実は自分の日々の小さな選択の積み重ねによって起きています。大きなことやお金のかかることをしなくても、日々の小さな選択を見直すだけで全然違う未来が待っているのです。
【気候災害リスクの世界ランキング】1位はフィリピン、2位はなんと・・・日本!!><
①細長い島国なので、海面上昇により外側から沈んでいく。
②大陸の中にある国より台風や豪雨が直撃する。
③食料自給率が40%未満。バッタや豪雨・干ばつに遭った時、真っ先に食料が尽きる。
次回の【後編】では、なぜ気候変動が起きているか、変えるために私たちに何が出来るのか、最近よく耳にする「SDGs」についてもお伝えします。
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