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【WFP学校給食賞】須磨学園高等学校・中学校が2年連続受賞

【WFP学校給食賞】須磨学園高等学校・中学校が2年連続受賞
暮らし

認定NPO法人 国連WFP協会(横浜市)は10月16日(金)、「WFPチャリティーエッセイコンテスト2020」の表彰式を開催しました。

国連WFP協会が支援するWFP国連世界食糧計画は10月9日にノーベル平和賞受賞が発表されたばかり。

今年のエッセイコンテストは新型コロナウイルスの影響がありながらも、応募総数は過去最多の2万2,905作品となり、約6万8,700人の子どもたちに栄養価の高い給食を届けられることになりました。

みつけた!わたしの元気ごはん

今年は「みつけた!わたしの元気ごはん」をテーマに、7月1日~9月4日の間、小学4年生から大人まで幅広い世代を対象に作品を募集。

応募1作品につき途上国の給食3日分にあたる90円が寄付協力企業(※)より国連WFPに寄付される仕組みとなっており、今回の寄付合計金額は206万1,450円(1社あたり約68万円)に。

最優秀賞となる「WFP賞」を受賞したのは、神奈川県在住の小学5年生、相蘇 仁那さんの「おひさまミートソース」。お母さんが入院中にお父さんと二人だけの生活の中で起きた心温まるエピソードをつづりました。(下記に全文掲載)

また応募数が最も多い学校・団体に贈られる「WFP学校給食賞」には、応募数が1,200通を超えた須磨学園高等学校・中学校(兵庫県)が2年連続で選ばれました。

『おひさまミートソース』  神奈川県 相蘇 仁那(あいそ にな)     「ひどいことを言ってしまった。」わかっているけれど、「ごめんなさい」の言葉は心のとげとげにつっかかって出てこない。 母が入院した一週間と少しの間、父と二人だけで生活した。食事とお弁当は父が作ってくれたけれど、からあげは固いし、卵焼きは甘すぎる。食べる度に母がいないと実感してイライラするのだ。晩ご飯は必ずからあげと卵焼きで、その残りが私のお弁当になる。 ある日、私がお弁当をほとんど残して帰ると、父は具合が悪いのかと聞いてきた。私は食欲がなかったと答えて、晩ご飯も残した。それでも父はしつこくて、少しでもいいから食べなさいとうるさかった。 「うるさいな!だってまずいんだもん。それにいつもいつも同じだし!」 一気に言ってしまってから後悔した。怒られるとかくごしたけれど、父は 「ごめんな。」 と言ったきり何も言わなかった。 次の日学校にいる間ずっと、夕べのことを後悔しながら過ごした。帰宅して重たい気持ちで玄関のドアを開けると、ふわっと良いにおいがして、笑顔の父が立っていた。 「今日はミートソースだぞ。」 机の上には、丸くて真っ赤でお日さまみたいなミートソースが二つ並んでいた。一口食べたら、甘ずっぱくておいしかった。おいしいのに涙があふれて止まらなかった。一緒に泣き出しそうな顔をしている父に、 「おいしいよ。」 と泣き笑いで言うと 「よかったー!お母さんに電話して教えてもらって、朝からがんばったんだぞ。」 と得意気に言った。私は泣きながら全部食べて、言えなかった「ごめんなさい」も言えた。 あれからずっと、父の得意料理も私の元気ごはんも、あのおひさまみたいなミートソース。それを食べる度に私は、甘ずっぱくて温かい気持ちになるのだ。

テーマみつけた!わたしの元気ごはん
題名①小学生部門(4・5・6年生) ②中学生・高校生部門 ③18歳以上部門
募集期間2020年7月1日~9月4日
各賞①WFP 賞(最優秀作品)1名 ②各部門賞 1名ずつ ③審査員特別賞 各部門1名 ④佳作 各部門5名 ⑤WFP学校給食賞(応募数上位の学校・団体)
発表2020年10月16日
応募総数2万2,905通
寄付総額206万1,450円

国連WFPとは

国連WFPは、国連機関であるWFP 国連世界食糧計画(2020年度ノーベル平和賞受賞)と、それを支援する認定NPO法人である国連WFP協会という2つの団体の総称です。

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WFP賞(全文)

『おひさまミートソース』

神奈川県 相蘇 仁那(あいそ にな)

 

「ひどいことを言ってしまった。」わかっているけれど、「ごめんなさい」の言葉は心のとげとげにつっかかって出てこない。
母が入院した一週間と少しの間、父と二人だけで生活した。食事とお弁当は父が作ってくれたけれど、からあげは固いし、卵焼きは甘すぎる。食べる度に母がいないと実感してイライラするのだ。晩ご飯は必ずからあげと卵焼きで、その残りが私のお弁当になる。
ある日、私がお弁当をほとんど残して帰ると、父は具合が悪いのかと聞いてきた。私は食欲がなかったと答えて、晩ご飯も残した。それでも父はしつこくて、少しでもいいから食べなさいとうるさかった。
「うるさいな!だってまずいんだもん。それにいつもいつも同じだし!」
一気に言ってしまってから後悔した。怒られるとかくごしたけれど、父は
「ごめんな。」
と言ったきり何も言わなかった。
次の日学校にいる間ずっと、夕べのことを後悔しながら過ごした。帰宅して重たい気持ちで玄関のドアを開けると、ふわっと良いにおいがして、笑顔の父が立っていた。
「今日はミートソースだぞ。」
机の上には、丸くて真っ赤でお日さまみたいなミートソースが二つ並んでいた。一口食べたら、甘ずっぱくておいしかった。おいしいのに涙があふれて止まらなかった。一緒に泣き出しそうな顔をしている父に、
「おいしいよ。」
と泣き笑いで言うと
「よかったー!お母さんに電話して教えてもらって、朝からがんばったんだぞ。」
と得意気に言った。私は泣きながら全部食べて、言えなかった「ごめんなさい」も言えた。
あれからずっと、父の得意料理も私の元気ごはんも、あのおひさまみたいなミートソース。それを食べる度に私は、甘ずっぱくて温かい気持ちになるのだ。

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