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兵庫県知事、再選1年を振り返り!「求めるのは政策であり、政局ではない」なお続く、知事選に絡む一連の対応に集中砲火

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暮らし

11月11日に行われた兵庫県知事の定例記者会見は、大型プロジェクトの開通報告と、知事の再選1年を巡る政策論争、そして知事選に絡む一連の「文書問題」・「逮捕者」への対応に記者の質問が集中した展開となりました。

会見のハイライト:要約

知事からの発表事項は以下の2点でした。

県道加古川小野線「東播磨道」全線開通

国道2号加古川バイパスから国道175号(小野市)を結ぶ全長12.1kmの東播磨道が、11月30日に全線開通することを発表。

  • 地域活性化: 加古川市役所から小野市役所間の移動時間が17分短縮されるなど、地域連携や雇用拡大に寄与。
  • 安全・安心: 加古川医療センターへのアクセス時間短縮により、救命率の向上が期待される。
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「HYOGOスポーツコミッション(仮称)」モデル事業

設立を検討中の「HYOGOスポーツコミッション」のモデル事業として、女子サッカーのASハリマアルビオン、女子バスケのアストライア、そしてスポンサーのアース製薬と連携し、小学生向けのスポーツ体験・企業見学ツアー(12月26日実施)を実施。

  • ねらい: スポーツの楽しさと地域の魅力を体験してもらい、地域創生につなげる。
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質疑応答:政策と「文書問題」への攻防

会見の質疑応答は、発表事項に関する質問から、知事の再選1年の評価、そして知事選を巡る立花孝志氏逮捕と文書問題に関する追及へと移り、特に後半は緊迫したやり取りが続きました。

質問カテゴリ 質問の具体的内容 知事の主な対応・姿勢
記者の主な立場・論調
東播磨道 加古川医療センターへのアクセス短縮の具体的な効果(どの搬送ルートで何分短縮か)。 具体的な数値(加東市役所から22分短縮など)を示し、救命率向上への期待を強調。
事実確認、政策の効果を具体的に問う。
再選1年 1年間の実績と新年度予算編成の重点は? / 県庁舎再整備(実質負担560億円)は公約達成と評価するか? 「若者・Z世代への応援」(県大授業料無償化など)や「防災・減災」の取り組みを実績として列挙。県庁舎整備は「コンパクトで機能的」なものとし、前計画からの縮減を評価。
知事自身の自己評価、今後の財政運営への姿勢を問う。
HYOGOスポーツコミッション スポーツ庁の支援事業を使うのか? / 重視する点は? 地域プロスポーツ団体との連携による「スポーツと地域活性化、創生の両輪」を目指すこと、子どもたちの体験機会創出が大事だと説明。
制度の法的根拠、事業のねらいを確認。
公約(3つの約束) 「文書問題の真相究明と改善策の徹底」「信頼関係の再構築」「未来に向けた県政改革」の達成評価は? 報告書を「真摯に受け止め」「着実に取組みを進めた」と回答。信頼関係再構築は「県民・議会の評価がポイント」としつつ、政策推進に尽力したと説明。給与減額条例への対応は「執行部提案であり、議会の判断を待つ」と繰り返す。
曖昧な回答を追及し、文書問題の真相究明や議会との合意形成の状況を厳しく問う。
立花氏逮捕 立花孝志氏逮捕(元県議への名誉毀損容疑)についてコメントしない真意は? / 選挙時の関係や共感について。 「捜査中であること」と「個別の事案であること」を理由に、一貫してコメントを差し控える姿勢を堅持。選挙戦での主張や共感に関する問いにも同様の回答を繰り返す。
毎日・神戸・共同・関西テレビ・フリー記者が執拗に追及。逮捕された人物が知事選に影響を与えた「キーパーソン」であり、「行政の長」としてコメントすべきだと迫る。
会見姿勢 政策以外の質問に冷淡な対応が多いのはなぜか? / 答弁能力が狭すぎるのではないか? 「質問に対して答えられることを精一杯答えさせていただいている」と強調。批判は真摯に受け止めつつ、「答える範囲でしっかり答えている」と理解を求める。
知事の「テンプレート」のような答弁姿勢への不満を表明。「切り取り」防止の防衛策ではないかなど、意図を推測し追及。
フェニックス共済 最終報告の「支払上限設定」提言を踏襲し条例改正するのか? / 基金への公費投入(役員報酬など)について、行革とセットにしないのか? 報告書の方向性を踏まえ、12月議会に条例改正案を提出する方向で準備中と回答。基金のあり方は今後の検討課題とする。
制度の財政リスク低減策と、団体の行財政改革(スリム化)を両輪で進めるべきだと指摘。
行政・報道の認識 衆議院予算委での内閣総理大臣答弁と、知事の「3号通報(公益通報)保護対象外」との認識の齟齬について。 / マスコミの報道は偏向報道か? 予算委員会の内容は「見ていない」としつつ、文書問題については「適正、適法、適切に対応してきた」と従来の主張を繰り返す。報道については「それぞれの立場で取材されている」と述べるに留まる。
フリー記者が、総理答弁と知事の法解釈の違いを鋭く追及し、知事の姿勢が「行政の長としてふさわしいか」を問う。
第三者委員会 3つの第三者委員会に約4800万円の公費がかかっているが、知事が結論を聞き入れないのは県民の信頼を失墜させたのではないか? / 弁護士が「知事が決めた」と言っているが、なぜ違法・無効の認定を聞き入れないのか? 委員会に感謝し、報告書は「真摯に受け止め、改善すべきところは改善し、改めるところはしっかり対応している」と繰り返し、結論への直接的な対応については明言を避ける。
フリー記者が、公費の無駄と民主主義の仕組み(第三者委員会)の破壊という観点から、知事の責任(4280万円の支払い要求含む)を追及。

「不協和音」の1年

今回の会見は、県政の「光」と「影」が交錯する場となりました。「東播磨道」全線開通という県民生活に直結する政策の着実な実現が「光」である一方、再選1年を迎えてもなお、知事選を巡る一連の文書問題や逮捕事案に対する知事と記者団との間に大きな「不協和音」を生じさせています。

知事会見:メディア別 質問と知事の対応

メディア 質問の主要テーマ 記者の意図・立場
知事の主な対応・スタンス
読売新聞 1. 東播磨道の医療アクセス効果。 2. 再選1年の実績評価と公約達成度。 政策の効果の具体化と、知事の自己評価を確認。
政策実績(若者応援、防災)を列挙し、県庁舎整備は公約達成と評価。政策優先の姿勢。
日刊工業新聞 HYOGOスポーツコミッションの目的と法的な背景。 新規事業のねらいと根拠を確認。
「スポーツと地域創生の両輪」を目指すとし、子どもたちの体験機会創出を強調。
産経新聞 公約「3つの約束」の履行状況、特に文書問題の真相究明と議会との信頼関係(給与減額条例)。 過去の疑惑への対応と、議会との対立(政局)の責任を知事に問う。
報告書は「真摯に受け止め対応」。給与減額条例は「議会の判断を待つ」と繰り返し、責任回避と批判されかねない姿勢。
毎日新聞 知事選を巡る立花孝志氏逮捕へのコメント回避の真意。知事のSNS投稿の確認状況。 逮捕された人物との関係性や、行政の長としてのコメント責任を追及。
「捜査中」「個別の事案」を理由に一貫してコメントを拒否。SNS投稿は「詳細を見ていない」と主張。
朝日新聞 1. HYOGOスポーツコミッションの活動内容。 2. フェニックス共済の条例改正(給付上限)と行革(公費負担)。 3. 公益通報制度の3号通報に関する知事の認識。 政策の詳細確認と、財政リスク低減策と同時に公費負担の行革を進めるべきかを問う。
支給上限設定を含む条例改正を12月議会に提出する意向。3号通報の認識は「変わりない」と従来の主張を維持。
神戸新聞 立花氏逮捕へのコメント拒否の理由。特に、二元代表制の一翼である県議への誹謗中傷事案にもかかわらずコメントしない点。 毎日新聞と同様、行政の長としての責任と政治的背景を強く追及。
「捜査中」「個別の事案」のためコメント差し控える「スタンス」と繰り返し、一切譲歩せず。
共同通信 立花氏逮捕の事実認識と、知事選での討論会などでの印象や共感。 知事と逮捕者の接点や、過去の言動の整合性を問う。
逮捕の事実を報道で承知していると認めつつ、「捜査中」を盾にコメントを拒否。討論会については「充実した議論ができた」と一般論に留める。
日経新聞 インターネット上の誹謗中傷防止条例案のパブリックコメントの反映とねらい。 新条例の策定プロセスと、期待する効果を確認。
寄せられた意見を踏まえ12月議会に提出予定。啓発活動と相談体制整備により、人権侵害の防止を目指す。
関西テレビ 立花氏逮捕を巡る言説の広がりによる知事支持への影響と、知事の答弁が定型化している理由。 知事選における間接的な「受益者」としての見解を問う。また、知事の説明姿勢の硬化を批判。
「当事者としてできることを精一杯した結果」とし、過去の選挙に関する言及を避ける。答弁は「精一杯答えさせていただいている」と自身の姿勢を擁護。
TBS 第三者委員会が「違法・無効」と認定したことへの対応と、この間の県政混乱に関する知事の反省点。 過去の判断に対する責任の所在と、行政の長としての自己反省の有無を問う。
文書問題は「適正、適切、適法に対応」。反省点については言及せず、「政策遂行が県民の負託」であると主張。
フリー記者 1. 立花氏逮捕と知事との関係性。2. 文書問題に関する嘘の有無。3. 第三者委員会費用(約4280万円)を知事個人で支払うべきか。 非常に踏み込んだ表現で、知事の関与の有無や金銭的責任を直接的・断定的に追及。
「捜査中」「個別の事案」を繰り返す。第三者委員会の報告は「真摯に受け止める」とし、費用支払い要求は「ご主張する場ではない」と拒否。

対立構図:知事の「防衛線」

会見のやり取りは、主に以下の2点における知事の「防衛線」を巡る攻防でした。

「過去と政局にはコメントしない」: 毎日、神戸、共同、フリー記者による立花氏逮捕、文書問題への質問に対し、知事は「捜査中」という行政上の理由や「個別の事案」という原則を盾に、一切の政治的な言及を避けました。

「政策遂行が最優先の責務」: 過去の事案への追及に対しては、東播磨道開通や若者応援施策といった政策の実績を繰り返すことで、「県民が求めているのは政策であり、政局ではない」というメッセージを徹底しました。

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