丹波立杭陶磁器協同組合は、丹波焼の職人の工房に泊まり、その暮らしに溶け込み、土づくりから作陶を体験できる旅として、陶芸版の農泊「陶泊」を開始。
2024年春の一般募集に向けて、イベントやモニターツアーを実施中。それに先駆け、オンラインイベント『陶泊クロストーク1:丹波焼の工房で探る「多様な美意識が生まれ、育まれる里の本質とは?」』が2023年11月5日20:00より実施されます。
背景
瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに日本六古窯の一つに数えられ、その発祥は平安時代末期から鎌倉時代のはじめといわれる丹波焼。
850年以上受け継がれる産地では、時代の要請に応じて、作る物や作り方の変化を繰り返し、今日も50以上の窯元が、技法も造形も用途も多様なものづくりを手仕事で行っており、日常使いできる、暮らしに寄り添う、美しく多様な作品は、世代を超えて愛され続けています。
昭和53年(1978)には国の伝統的工芸品指定を受けて伝統が受け継がれていますが、時代の変化に伴い、窯元数や職人の減少がみられる中、持続的な産地のあり方を模索し、美意識を磨くために何度も訪れることができる郷になることを目指して観光庁「第2のふるさと事業」として「陶泊」に2023年より新たに取り組んでいます。
【トピック1】陶工の営みに触れる旅「陶泊」を2024年春に開始
陶泊とは
陶泊とは、陶芸体験などから一歩踏み込み、陶工の自宅などに宿泊して生活を共にすることで、職人の手仕事や里の空気、文化なども味わう滞在型旅行です。宿泊の前後では、若手陶工の方にツアーガイドとして窯元巡りなど地域内を案内していただけます。
陶工との交流を通じて、地域の日常に触れることができるのも「陶泊」の醍醐味のひとつです。
陶泊の魅力
1. 職人の工房に泊まれる
陶泊で宿泊できるのは、職人の工房など、実際の暮らしの現場です。職人の日常に触れ、日本のものづくりの現場を間近で見て体感することができます。もちろん、個別の客室やシャワー等の宿泊設備もあり安心して滞在することができます。
2. 現役の職人が、さとびとガイドとして(ツアーガイド)旅路を案内
陶泊では、「さとびとガイド」と呼ばれるツアーガイドの方に、一人一人の関心や好みに合わせた案内をしていただけます。さとびとガイドは、立杭でものづくりをする若手の職人が中心。そのため、地域の話や陶芸のリアルな話を聞き、立杭をより深く、より楽しく知ることができます。
3. 陶芸の工程の体験ができる
陶泊の楽しみは、普段できないやきものづくりができることでもあります。教えてくれるのも、現役の職人。また参加者の要望に寄り添い、例えば土堀や粘土作りといった作陶のプロセスも体験することができます。
【トピック2】陶泊開始に向けたオンラインイベントを実施予定(11/5 20:00-)
オンラインイベントを開催
六古窯のひとつに数えられ約850年の歴史を持つ丹波焼の里・兵庫県丹波篠山市立杭地区で、11月中旬から本格始動する新しい旅のプログラム「陶泊」の魅力をお届けするオンラインイベント。
第1回目となる今回は、丹波焼の代表的な窯元のひとつである「俊彦窯」の清水剛さんの工房にお邪魔して、数々のローカルプロジェクトを手掛けるトランクデザイン・堀内康広さんと教育プロデューサーの澤田哲也さんが、様々な視点から丹波焼と立杭地区の魅力を紐解いていきます。
※本イベントは、ポッドキャスト「手仕事の国、日本を旅するラジオ」の公開収録となります。
日時 | 11月5日(日) 20:00~21:30 |
開催 | オンライン(zoom) |
定員 | なし |
参加費 | 無料 |
詳細・申込 | https://tohaku231105.peatix.com/ |
出演者紹介
清水剛(SHIMIZU TAKESHI)
俊彦窯
1975年 兵庫県丹波立杭に生まれる
1999年 京都市立芸術大学工芸科陶磁器専攻卒業、陶芸家・今井政之、眞正氏に師事
2005年 兵庫陶芸美術館に勤務(~2012年)
2010年 現在形の陶芸 萩大賞展2010 佳作、ビエンナーレKUMAMOTO(熊本県立美術館)
2011年 神戸ビエンナーレ2011現代陶芸展 奨励賞(09年同賞)
2012年 京都府美術工芸新鋭展(京都文化博物館)
2014年 光州ビエンナーレ (Gwangju Folk Museum/韓国)
2015年 外務省派遣事業により渡加(オタワ・バンクーバー)
2017年 平成29年度 兵庫県芸術奨励賞
2018年 第23回美濃茶盌展 金賞、2018 TEA BOWL Exhibition of Gyeongsangnam-Do(金海文化の殿堂/韓国)、ひょうごのやきもの150年 ―技・匠からアート・個性へ―(兵庫陶芸美術館)、特別展 ― 珠洲そして六古窯(備前市立備前焼ミュージアム)
2019年 日・韓学術シンポジウムにて講演(金海粉青陶瓷館/韓国 同16年)、第5回藝文京展 京都市長賞
2023年 第15回現代茶陶展 優秀賞(18・19年同賞)
堀内康広(HORIUCHI YASUHIRO)
トランクデザイン株式会社 代表取締役/クリエイティブディレクター/デザイナー
2009年に「TRUNK DESIGN」を神戸市垂水区にオフィス&ショップをオープン。 地場産業や伝統工芸のプロデュースやブランディングのディレクションやデザインを幅広く手がる。 2011年には兵庫県のモノづくりを紹介する「Hyogo craft」を立ち上げ、アパレル・お香・ステーショナリー・テーブルウェアなど自社でプロデュースし、8ブランドを展開。 現在は兵庫だけではなく、日本全国の地場産業や伝統工芸のプロデュース・ブランディング・国内外の販路開拓や地域ブランドディングなどを一貫して支援。 2018 Taiwan design award GOLDEN PIN受賞、2019 Good design award BEST100・BEST FOCUS受賞、2021 HKDA GLOBAL DESIGN AWARD(Hong Kong)プロダクト部門審査員
澤田哲也(SAWADA TETSUYA)
ミテモ株式会社 代表取締役/教育プロデューサー
採用コンサルティング会社、人材育成・組織コンサルティング会社を経て、2012年よりミテモ株式会社 代表取締役に就任。 「デザインと教育の力で自創する未来をつくる」をスローガンに、経済と社会と環境の好循環を生み出す事業に取り組む。 2018年にはJAPAN BRAND PRODUCE SCHOOL設立。日本各地の地場産業を活性化するため、経営にデザイン要素を取り入れ、イノベーションとブランディングと商流設計を行うデザイン経営の推進と人材育成に取り組む。2019年1月に持続可能な産業観光・産地観光実現を目指すLOCAL CRAFT JAPANを立ち上げ、2020年5月にはローカル・クラフトに特化したオンラインクラフトマーケット Local Craft Market、国内外の産地と連携しながら各産地の地域固有性に基づく高付加価値化と文化の継承に取り組む。
【「手仕事の国、日本を旅するラジオ」について】
手仕事の国、日本を旅するラジオ。
この番組は、教育プロデューサーの澤田哲也とトランクデザイン株式会社の堀内康広が、日本各地に根付いているものづくりの可能性やユニークな取組みなどについて、あれこれ脱線しながら語っていく番組です。
今後の予定
2024年春頃の一般募集に向けて、2023年の春より組合員やそのご家族の方々等と共に、民泊の勉強会やツアーガイド向けのワークショップ、宿泊施設の営業許可の申請や準備を行っています。2023年秋からはモニターツアーを通して課題点の発掘や解決に努めていく予定です。宿泊できる窯や陶泊のツアーの詳細は別途プレスリリースで配信を予定しています。
企画・運営
丹波立杭陶磁器協同組合
トランクデザイン株式会社
ミテモ株式会社
Satoyakuba
一般社団法人ウイズささやま
合同会社gyoninben
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