兵庫県尼崎市の歴史を今に伝える尼崎市立歴史博物館に、とっても素敵な新しい展示物が仲間入りしました。
それは、今から85年も前の昭和16年(1941年)に誕生した、阪神電鉄「881形」という車両の「貫通扉(かんつうとびら)」です。
車両同士をつなぐ場所に取り付けられていたこの扉は、西宮市在住の小笠原裕一さんから寄贈され、2026年3月から常設展示室で一般公開が始まっています。
鉄道ファンが愛した「喫茶店」のようなお洒落なデザイン
今回展示された881形は、阪神本線において戦前最後に新しく作られた、まさに「昭和のモダン」を象徴する車両です。
最大の特徴は、連結部分に設けられた「2枚折戸」の貫通扉。そのあまりに洒落た佇まいから、当時の鉄道ファンや乗客の間では、親しみを込めて「喫茶店」というロマンチックな愛称で呼ばれていました。
今回公開された扉は、記念すべきトップバッターである「881号車」に使われていた本物。たて188センチ、よこ67センチという重厚なサイズ感からは、当時の職人たちのこだわりが伝わってきます。
尼崎から香川へ、そして未来へつなぐ物語
この881号車は、阪神本線や武庫川線で多くの人々を運んだあと、昭和42年(1967年)に海を渡って香川県の「ことでん(高松琴平電気鉄道)」へと譲渡されました。
四国の地でも10年にわたり活躍し、昭和52年に惜しまれつつ現役を引退。解体される際に、当時の持ち主である小笠原さんが大切に譲り受け、今日まで保管されていたのです。
この形式の貫通扉は、今では日本にたった2点しか残っていないと言われるほど、歴史的に見て非常に価値が高い資料です。
尼崎の工業都市としての歩みや、阪神電車の歴史を肌で感じられる貴重なチャンスとなっています。
展示の詳細とアクセス
尼崎市立歴史博物館は、尼崎市南城内に位置する、歴史ファンに人気のスポットです。昭和の時代、たくさんの夢と人を乗せて走った「喫茶店」の扉。ぜひその質感を間近で眺めて、当時の尼崎の風景に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
展示に関するお問い合わせは、尼崎市立歴史博物館(06-6489-9801)まで。懐かしくも新しい、鉄道の歴史に出会える休日をぜひお楽しみください。


































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