株式会社meleapが開発・提供するARスポーツ「HADO」が、兵庫県立姫路飾西高等学校の「STEAM探究科」の授業で活用されました。本取り組みは、文部科学省「新時代に対応した高等学校改革推進事業」の一環として実施され、生徒主体の課題解決型学習の中でHADOを活用するものです。
「HADO」とは

「HADO」は、頭にヘッドセット、腕にセンサーを装着し、エナジーボールやシールドを駆使して戦う日本発の次世代ARアクティビティです。ルールはシンプルで分かりやすいが、戦略は無限大。仲間との連携が鍵をにぎるため、年齢・性別・運動能力を問わず楽しめます。世界39カ国で展開されており、 “次世代のスポーツ”として注目されています。
背景
姫路飾西高校は2024年度(令和6年度)に「STEAM探究科」を新設し、理系のサイエンス・サーベイコースと文系のグローバル・コミュニケーションコースを統合。急速に変化する社会に対応できる人材育成を目指し、生徒が自らテーマを設定し探究・実践・検証する学びを推進しています。
その中で生徒から「子どものスポーツ人口減少を解決したい」という問題提起があり、課題解決の手段として株式会社meleapとの協働研究が始まりました。HADOはAR技術を用いた新しいスポーツで、運動が苦手な人でも楽しめる点や、デジタル世代の子どもたちが自然に体を動かせるきっかけとなる点が高く評価されました。
取り組み内容
| 5月21~23日 | HADO体験・meleap社員による講演 |
| 7月22~25日 | HADO設営実習・STEAM Day運営練習・生徒によるアンケート調査 |
| 7月26日 | 「STEAM Day」にて教育関係者や中学生にHADOを体験してもらい、効果を検証 |
| 9月~12月 | 課題解決策としてのHADOの有効性を継続的に検証 |
| 12月 | 検証結果を発表予定 |
STEAM探究科長 稲田隆士 先生 コメント
■STEAM探究科の目的
飾西高校では、STEAMを自分たちがワクワクするものと定義し、テーマとして「ホンモノに出会う、本気に触れる」を掲げています。
1年次ではインプット重視で、VRゴーグルやドローン、プログラミングレゴに触れたり、文系理系を問わず様々なプロの講演会やフィールドワーク、海外研修を通して自分と共鳴する人を探します。その中で、自分が興味を持ったモノ(技術や人)と協働して課題解決策を語る『夢物語(You me × モノ →語り)』を行います。
2年次ではアウトプット重視で、協働相手と共に社会課題の解決策を見出し、実践・検証する『夢プロ(You me × project / produce)』を実施。現在は5つのプロジェクトが動いています。
①合同会社LTFと協働した農福連携事業やスマート農業探究
②株式会社meleapと協働したスポーツ人口減少に歯止めをかけるNew Sportsイベントの企画
③「はばタン」デザイナーJUNBOw氏との大阪万博ワークショップ準備
④旭陽化学工業と地元店舗と連携したコラーゲン入りシフォンケーキの無人販売企画
⑤3Dプリンターを使ったレコード機能付き時計文字盤の製作
3年次では、これらの経験を通して進路に対する明確な意思を持ち、チャレンジ・実現していきます。
■HADO導入のきっかけと目的
1年次に「子どものスポーツ人口減少」をテーマにしたグループが、ボール遊び可能な公園の減少やゲーム時間の増加を課題として抽出しました。しかし校内発表では「運動したくない人が増えている」「高校生がイベントを行うのはハードルが高い」と指摘されました。そこで兵庫県スポーツ振興課に相談し、紹介されたのがHADOでした。
HADOはAR空間を利用するため公園の利用制限に抵触せず、ゲーム世代にも親和性が高い新スポーツです。さらに議論や作戦立案を伴うため、論理的思考力や言語能力向上にもつながる点が高く評価されました。
導入の感想と結果
【感想】
・運動が苦手な私でも楽しく体験することができました。少し似たようなものをどこかで一度だけしたことがあるのですが、HADOはルールも操作も簡単で、初めてでも十分に楽しめると思いました。
・HADOを体験して、まるでゲームの中にいるような感覚がとても楽しかったです。普通の運動とは違った面白さがありました。これからもっと広まってほしいと思いました。
・HADOは想像以上に楽しむことができるスポーツだとわかりました。もしHADOが、全国的に普及したら、若者の運動不足が進んでいるこの世の中に良い影響を与えると思います。
・これまでVRやARなどを使った体験をしたことがなかったので、初めての体験でした。運動はよくしていて、好きなので楽しかったです。初めてだったので色々考えながらすることはできなかったけど、やっていく中で少しずつ慣れてうまくすることができたと思います。グループそれぞれでいろんな作戦があって見ているのもすごく面白かったです。またやる機会があればその時はもっと考えながらやりたいなと思いました
【結果】
参加者は、普段の運動頻度にかかわらず、全員が、楽しかったと回答しています。また、9割以上の参加者がもっと体を動かしたいと回答していました。さらに作戦を考える必要があると感じて、コミュニケーション能力の向上にも役立つと参加者は回答しているので、誰もが体を動かすことに抵抗なく取り組め、なおかつコミュニケーション能力が上がり、学習効果もあると感じました。
HADOの説明をする様子




































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