2026年7月15日、加西市にある兵庫県立播磨農業高等学校で、心温まる、意義深い挑戦が行われました。
園芸科果樹コースの3年生13名を対象に開催されたのは「手話ダンスワークショップ」。
普段は土に触れ、果樹栽培に全力投球している生徒たちが、なぜ「手話ダンス」に挑戦することになったのでしょうか?その背景にある想いとは?
「届ける相手は、健常者だけではない」という気づき
播磨農業高校の果樹コースでは、北播磨特産のブドウ「マスカット・ベリーA」をはじめ、モモやカキといった果樹栽培を専門的に学んでいます。
栽培技術を習得するだけでなく、収穫した果実を加工品にしたり、地域の方々へ直接販売したりと、食品の「製造から流通まで」を総合的に学ぶ、未来の農業の担い手たちです。
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そんな彼らが今回、福祉への理解を深め、農業の新たな可能性を見つけるために手話ダンスに挑みました。
ワークショップを企画した、特定非営利活動法人 日本パラファンク協会の阿部氏は、生徒たちにこう語りかけます。
「例えば、耳の聞こえない方や難聴の方、高齢者の方に向けて、みんなが手話で自分たちの作った農産物をPRする動画を作ってみたらどうだろう?こうした社会貢献や、広い視野を持った人材を育てていきたい。今回のワークショップが、企業や福祉とつながる素敵なご縁になれば」
また、今回の講師として協力した福伸電機株式会社(福崎町)の宮内氏も、企業としてダイバーシティ(多様性)やSDGsに取り組む意義を伝えました。
「私たちの会社にも、耳の聞こえない方や様々な障がいを持った方が仲間として働いています。社会に出たら、誰もが暮らしやすい社会(共生社会)について自分たち自身で考えていかなければなりません。
手話ダンスを通じて、耳の不自由な方に優しい気持ちを持てたり、自分の人生を幅広く考えるきっかけになればと思っています」
先生は福崎町の「手話ダンス甲子園」でおなじみの実力派
今回指導にあたったのは、兵庫県福崎町で毎年決勝大会が開催されている「全国手話ダンス甲子園」でも入賞実績を誇る、福伸電機株式会社の手話ダンスチーム「チームフクシン」のメンバーたちです。
生徒たちが挑戦したのは、チームフクシンが過去のステージでも披露した、アンジェラ・アキさんの名曲『手紙 〜拝啓 十五の君へ〜』の手話歌(歌詞に合わせて手話で表現するもの)。
参加した生徒の多くは、手話に触れるのが今回が初めて。最初は「本当にできるかな……」と緊張した面持ちでした。
しかし、始まってみると高校生たちの抜群の適応力に周囲は驚かされることに。
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チームフクシンの指導を真剣に見つめ、スポンジが水を吸うように次々と動きを覚えていきます。当初予定していた1番だけにとどまらず、急きょ予定を変更して2番の歌詞までしっかり覚えました。
体験した生徒たちのリアルな声
ワークショップを終えた生徒たちの表情は、達成感と笑顔に満ちあふれていました。
生徒コメント:
「手話と聞いて最初は『難しいのかな』と思っていたんですけど、教え方も優しくて面白くて、すぐに覚えることができてとても楽しかったです」
生徒コメント:
「やったことがない初めての挑戦で、最初はできるか難しかったけれど、チームフクシンの皆さんがすごい優しく丁寧に教えてくれたので、楽しみながら手話ダンスができました。
これから、耳の聞こえない人のための農産物PR動画も作ってみたいし、直接販売の時にそういうお客様が来られたときにもちゃんと対応できるように、もっとしっかり手話を覚えていきたいです」
手話ダンスというアート表現を通して、言葉の壁を越えて「伝える」ことの楽しさ、そして自分たちの作った農産物をより多くの人に届けたいという、新たなモチベーションが生まれたようです。
農業×福祉――広がる農業の新しい可能性
今回のワークショップを見守った、園芸科長の三宅教諭は、生徒たちの成長に大きな期待を寄せます。
三宅教諭コメント:
「今回は、自分たちが一生懸命作った農産物を、より多くの、色んな人たちに知ってもらうきっかけの一つとして手話に触れてもらいました。
ワークショップを通じて、生徒たちは『伝える方法には色んな形があるんだ』ということを学んでくれたのではないでしょうか。農業にはまだまだ、本当にたくさんの可能性があると思います。生徒たちには今回の経験を活かして、その可能性をどんどん広げていってほしいですね」
手話という新しい言語に触れた、播磨農業高校の生徒たち。
今回の出会いと気づきは、美味しい農産物を生み出す技術だけでなく、地域社会全体を優しく包み込む「新しい農業のカタチ」を創り出す、大きな一歩となったはずです。






















































































