希少な食材を世界共通のガイドラインで選定し、様々な支援策によって、その生産や消費を守り、地域における食の多様性を守ろうというスローフードのプロジェクト「味の箱船」。
今回、国際的な食のプロたちの集まる「ルレ・エ・シャトー」、世界農業遺産(GIAHS)を軸につながりが生まれた「徳島大学」、この2つの連携がきっかけで、八代オクラ(兵庫県豊岡市八代地区)など新たに国内10の味の箱船が登録され、未来につないでいくための活動が行われることになりました。
スローフードの”食の世界遺産”「味の箱船」
1996年に設立され、現在世界中で約5500以上の動物、果物、野菜の品種と加工食品などが「味の箱船=ARK OF TASTE ※通称アルカ」として登録され、良質な食材の調達、販売促進に興味のある人への情報提供に繋がっています。
日本国内では新たに10の味が登録され国内全74品目になりました。
新たに登録された食材
天龍村の柚餅子 | (推薦人:ヒカリヤ ニシ 田邉 真宏シェフ) |
丹後地域のうご | (推薦人:要庵 西富家 泉英次氏) |
八代オクラ | (推薦人:神戸北野ホテル 山口浩シェフ) |
赤花蕎麦 | (推薦人:さんぽう西村屋 本店 中安伸一 料理長) |
ヤツマタ | 徳島大学から推薦された食材 |
祖谷のヒエ | |
祖谷のタカキビ | |
祖谷のコキビ | |
祖谷のアワ | |
祖谷のソバ |
ルレ・エ・シャトー シェフ達から推薦された食材
八代オクラ
兵庫県豊岡市八代地区で古くから栽培されてきた在来種のおくら。
伝統野菜で、一般的なオクラの多くが5角形なのに対し、八代オクラは10角ほどあり、肉厚で粘りが強く、ゴツゴツした見た目ながら加熱すると皮はやわらかくなり、味わいも濃厚といいます。(トップ画像)
神戸北野ホテル 山口浩シェフ
天龍村の柚餅子
柚餅子とは、保存食の一つで、柚子の中身をくり抜き、皮の器の中に、砂糖やクルミ、胡麻等を混ぜ合わせた「練り味噌」を詰め込み蒸した後、自然乾燥で約3ヶ月かけて一つ一つ丹念に仕上げた、独特の風味と香りを持つ珍味。
天龍村の柚餅子
丹後地域のうご
丹後地域では海藻のエゴノリが「うご」と呼ばれています。
豊凶の差が激しいエゴノリは、たくさんとれた年に乾燥させて保存しておき、トコロテンのように煮固めて寒天状にして食べます。祝い事や仏事には欠かせない料理。
丹後地域のうご
赤花蕎麦
但馬地方で古くから食されてきた赤花在来種のそばです。収穫は10月~11月頃。そばの花は通常白ですが、少し赤が混じって咲きます。
赤花そばの特徴は、①そば粉だけで打てる品質 ②粘りが強く良い風味 ③小粒で高い歩留まり ④自然環境が厳しいほど収穫が少なく凝縮した味 にあります。
赤花蕎麦
日本スローフード協会
スローフードとは、私たちの食とそれを取り巻くシステムをより良いものにするための世界的な草の根運動。
郷土に根付いた農産物や文化を失うことを始め、ファストライフ・ファストフードの台頭、食への関心の薄れを憂い、1989 年にイタリアで始まり、現在160カ国以上に広まっている、国際組織。
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